新製品の開発に向けて~吸音率測定&透過損失測定@小林理学研究所
昨日(財)小林理学研究所にて試験の立ち合いを行いました。製造3号です。
今回とある新製品の開発を行い、吸音率の測定と透過損失の測定に試験を行って頂きました。垂直入射の試験はどのようなものか写真や話に聞いていたので理解しておりましたが、今回行った試験は大掛かりな試験で、とても貴重な経験になりました。
今回行った試験は「残響室法吸音率測定」と「透過損失測定」です。
簡易的な測定の場合「垂直入射」という測定方法を用いて吸音率の測定を行います。垂直入射試験は筒状の入れ物(特殊な音響管)に吸音材を準備し、管内の音圧を測定し、吸音率を求める方法です。管内に材料を設置して行うため、材料が少なく済みます。なので弊社では検討データとして測定を行っております。
今回行ったのは、「垂直入射」ではなく、大きな反響する部屋を使用した測定です。反響する部屋というのは無響室とは真逆で、壁や天井が反射性の高い素材で作られた実験室です。イメージだとコンクリートに囲まれた地下室のようなイメージをしていただけたらと思います。この部屋に12平米分のパネルを敷き、実験を開始します。何も置いていない段階だと部屋が反響しすぎて違和感のある空間に感じられます。12平米分のパネルを敷くだけでも音の反響、聞こえ方が変わって感じられたのが驚きでした。残響室を利用する理由は、音を拡散させ、材料に入射する音波の方向をランダムにさせる為と、受音側の部屋の拡散状態によって受音室の音圧レベルが変化してくる為のようです。パネルなどの材料を置いていない状態・置いている状態の部屋の残響時間を測定し吸音率の算出を行っているようです。
次に透過損失測定です。透過損失とは簡単にいうと遮音性能のようなもので、音が入ってきたときにどの程度の音が抜けるかを表しております。この試験は上下2部屋利用して行う試験で(試験所によって異なります)、パネル1枚分の穴が空いた2つの残響室にパネルを設置し材料を隔て、①の部屋で音を出し、②の部屋でどのくらい音が透過している(音が通ってきている)かを測定します。この①と②の部屋は残響室で、吸音率測定と同様に音の拡散を行い、音をランダムに様々な角度から入射させるために使用されます。設置の際、下の部屋での作業を担当しましたが、置いた瞬間音がほとんどシャットアウトされ、上の部屋で何を話しているのかがわからない状態になりました。
吸音率・透過損失ともに満足のいく結果が出たことはよかったですし、実際に設置してどれだけ音の反響が変わるのか、どれだけ音が透過しないのかということが体験でき、面白い経験になりました。
それにしても先日のサウジアラビア戦は残念な敗戦でした。オーストラリア戦で決めておいてよかったですね。酷暑の中、完全アウェーでの戦いで決まってなかったら、かなりヒヤヒヤな最終戦になっていたと思います。今後の遠征や強化試合が楽しみですし、本戦は17歳になる久保君が連れて行かれるのかも楽しみです。