機械騒音対策用防音ボックス~熱だまりを解消する4つの方法
製造部②号です。8月もいよいよ終わりに近づき、暑さのピークも過ぎたこの頃ですが、(それとは関係あるか分かりませんが)本日は防音材の「熱対策」についてお話したいと思います。
機械騒音は音源を囲うのが効果的
弊社では、日々様々な機械の騒音のご相談を受けております。中でもコンプレッサー、モーター、室外機等の機械騒音のご報告は多く、お悩みを頻繁に承っております。
こういった機械音を対策する際、音の減少に効果的なのは、やはり箱型にして音源そのものを囲う方法です。弊社の防音パネルは厚さわずか3cmほどにも関わらず防音性能が高く、このパネルを使用した防音ボックスに騒音源を入れる事で、大幅な音量の低減が可能になります。
機械の熱溜まりの問題も解消します
さて、防音ボックスが音の対策として優秀なのは間違いないのですが、お客様がよく懸念されるのが「熱」の問題です。機械の周りを全て囲い密閉状態にしてしまうと、外との空気の流れは遮断され、熱を発生する機械を設置する場合に熱溜まりを予想するのは当然の考えです。
弊社ではこの熱溜まりの問題を解消するため、熱量に不安のある機械の防音ボックス型製品を制作する際はいくつかのご提案をさせて頂いております。
熱溜まり対策①:吸排気サイレンサーの設置
空気の流れを作るため、パネルの一部を開口します。しかし、開口しっぱなしでは音の漏れに繋がってしますので、画像のようなサイレンサーを設置します。こちらは一人静シリーズで制作したサイレンサーで、その吸音性能により、音を逃がしにくく空気だけが行き来するような仕組みになっています。
熱溜まり対策②:排気ファンの使用
開口+サイレンサーだけでは熱への対応が難しい場合の対策です。パネルに送風機を埋め込むことで、外の冷たい空気を中に送り込み、中の熱気を外に送り出します。画像はファンがむき出しになっていますが、この上からサイレンサーを付けるのでファンの音(といっても比較的静かな音ですが)も聞こえにくくなります。
熱溜まり対策③ : 放熱タイプのパネルの使用
通常は一人静タイプAでのボックスをご提案させて頂いておりますが、更に効果の高い熱対策として放熱タイプである「一人静タイプD」を使用してのボックス制作も可能です。
タイプDはパネル内部で吸音材を保護するハニカム素材がアルミで出来ており、タイプAで使用している紙質のハニカムのものに比べ、熱伝導性が上昇します。その結果内部の熱が外に逃げやすくなります。
熱溜まり対策④ : 一部の面の開放
これは最終手段になるのですが、特殊なポンプなどのかなりの高温まで達する機械の場合、完全に密閉すると機械の安全装置が作動しストップしてしまうことがあります。対策としては一部の面を開放にすることで大きな熱を逃がします。
音がダダ漏れじゃないか、と思われる方もいるかもしれませんが、内部に使用しているパネルの吸音性能が高いので、見た目ほどの音の漏れは発生しません。以上が防音ボックスの熱対策の例となります。
機械や設置状況によって対策は様々です。何か不明な点がありましたらまずはお問い合わせフォームよりご相談下さい。