OAフロアの騒音対策@東京~素材選定・施工方法に注意し階下への騒音を低減
こんばんは、ソリューション事業部です。今回は防音対策仕様の床を施工したのでご紹介させていただきます。
企業のフリーアクセスフロアの騒音対策
現場はとある企業のOAフロア(フリーアクセスフロア)になります。OAフロアとは、床下に電源や通信用配線、空調設備などの機器を収納することができるフロアになります。
床下へのアクセスが容易にできる構造の為、オフィスやサーバールームの環境性能を向上できます。しかし、床下に配線を収納するため、必然的に空洞が発生します。この空洞が床上で発生した衝撃音を増幅させてしまい階下に響いてしまう原因となります。
今回はOAフロアをショールーム的な仕様に変更し、不特定多数の人・モノが設置できるように歩行音や衝撃音を階下に響かせないように施工いたしました。
独自の工法で階下に響く低音を軽減
床下で問題となるのは歩行音などの低音です。上で歩いている時は靴音しか聞こえませんが、階下では床下で響いた音が低音となり伝わってしまいます。一般的な歩行音対策であれば弊社の一人静Grandでも効果を発揮できますが(参)、今回はより効果の高い方法を行いました。
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詳しい工法は企業秘密の為省略いたしますが、主に床対策に必要な衝撃吸収用の制振と床下の空洞部分で発生する太鼓音を緩和する吸音材、床への補強を行いました。
制振材もネットで検索すると多数ありますが、面密度が高く耐久性の高い製品を選択しております。例えばゴム製品ですと汎用性が高いですが、ゴム臭いやちぢれ、荷重による破断の可能性があります。
また、建材用の遮音シートも面密度が低く複数の素材を合わせても十分な効果が発揮できません。さらに吸音材も一般的な断熱材の密度ではなく、より高密度に変更しております。
素材の選定だけでなく、床対策では施工にも注意を払わなければなりません。各素材を固定する際に制振材に直接ビスを打ってしまうと床上からの衝撃を伝えてしまいます。また、補強をしっかりしていないと、たわんだ合板が制振材や吸音材と接触し、歩行音とは別の音が発生することもあります。
施工後はお客様より高評価いただきました
今回床厚さは100mmとなりましたが、施工後お客様からも高い評価をいただきました。動画では少々わかりにくいですが、Aフロアの時は革靴で歩くとボワーン、ボワーンという床下から響く音が発生していましたが、施工後は床上を歩く音しか聞こえませんので、下に響くことはありませんでした(最初に足踏みしているところがOAフロアで、合板の上が防音仕様です)。この床の応用で、ピアノやオーディオの防振対策が可能です。
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