高い防音性能を誇る弊社の吸遮音パネルの構造と原理について
製造部です。今回は弊社の吸遮音パネルがどのような原理で防音を行っているのかを、ご説明させて頂きます。
一人静シリーズはサンドイッチ構造で構成
基本的に「一人静シリーズ」は、吸音面・ハニカム・発泡樹脂・遮音面というサンドイッチ構造で構成されております。「一人静タイプA」「一人静タイプD」「一人静タイプL」「一人静タイプZ」は表面材をアルミで構成した製品です。「一人静Esprit」「一人静Esprit Life」「一人静Grace」はポリエチレン系の表面材の製品です。
多孔質素材による音の減衰の仕組み
吸音面のアルミメッシュ材やポリエチレンには無数の穴、気泡があります。多孔質という言葉を使ったりしますが、弊社の製品は吸音材のため、騒音をいかに吸うかが重要になります。弊社のアルミで構成した製品は、開口率が約40%あります(※開口と言ってもミクロンの世界なので、内部の発泡樹脂が飛散することはほぼありません)。
内部の発泡樹脂にも無数の気泡が存在します。音が気泡に入っていき迷子になり運動エネルギー(熱エネルギー)に変わり音が減衰していきます。
スズ構造・ヘルムホルツ共鳴・ビオ理論を活用し製品開発
サンドイッチ構造には「スズ構造」という理論があります。音を構造内に導き、音圧によって振動し運動エネルギーとして吸収させようとするものをいいます。つまりハニカム内に入っている発泡樹脂が振動し熱エネルギーに変わっているともいえます。
また「ヘルムホルツ共鳴」という原理があります。空き瓶に息を吹きかけるとボーッと低音が響きます。コレをヘルムホルツ共鳴といいます。共鳴したら音が大きくなると思いますが、共鳴している周波数の周辺を吸い取る働きをするそうです。音楽室などの有孔ボードなどがその原理を利用しています。有孔ボードの穴の高さ(ボードの厚み)が空き瓶の首の部分になります。弊社吸音ボードのハニカムがそれに相当しているそうです。※車のマフラーに付けるサイレンサーもこの原理の様です。低音を落とす効果があります。
そして弊社の開発者は、「ビオ理論」という吸音メカニズムに関するパラメータを参考にしました。「多孔度」「密度」「厚さ」など、13項目程予測値となる条件があり、そのパラメータを基準に部材を選定し開発に至りました。さらに、吸音のみならず遮音性能も兼ね備えた製品であり、吸音後、内部遮音面で音がはね返り、前述のとおり「スズ構造」や「ヘルムホルツ共鳴」が繰り返され、音を減衰させていきます。
この様に理論上は難しい原理で、吸音・遮音を行い防音をしている弊社の吸音ボードですが、難しいことは考えず騒音源を囲ってしまえば対策終了です。
気になる騒音や防音対策について、ご不明な点ございましたら、お気兼ねなくお問い合わせ下さい。