大型粉砕機とサイクロン(集塵機)の騒音対策~弊社吸遮音パネルで防音壁を設置@千葉県
こんにちは、ソリューション事業部です。今回は大型粉砕機とサイクロンの防音対策をご紹介いたします。今回は幅4m、高さ9mと今までの騒音対策と比べても大型の対策になります。
正面と両側面の計3面に防音壁を設置
リサイクルや素材メーカーでは、材料を粉砕機で粉砕し製品化を行います。粉砕した素材が粉となるため、サイクロンを取り付けできうる限りメンテナンスや掃除の手間を省く構造をとっております。
しかし、サイクロンは強力な排気・吸気を行うため周囲に騒音を発生させます。今回は大型の粉砕機とサイクロンが一体化した機械の対策を行いました。通常は床以外の5面を囲えれば防音対策が行えますが、天井は開放の条件(粉砕機が天井と近い&熱がこもりやすい)がありましたので、正面と側面2面を含めた3面を囲うことで対策を検討しました。
弊社製品は遮音+吸音の効果があり内部の反響を抑えられます
通常ですと3面を囲っても、天井からの音漏れが起こってしまいますので、天井を囲う必要があります。しかし、当社の一人静パネルは遮音+吸音の効果を持っているため、使用することで内部の反響音を抑え、外に漏れる音を軽減できます。
また、事前に騒音測定を行いましたので、粉砕時に発生する中高音域が把握でき、「一人静タイプA」よりも遮音性能が高い、「一人静タイプAプレミア」の仕様を採用しました。また、熱対策で天井を開放したり、作業効率を低下させないように現場での作業状況をヒアリングし反映をさせました。
間口の大きい両開きのスライドドアを取り付けモノの出し入れも便利に
例えば、囲いをつけるとなると、粉砕した素材を搬出する箇所や、点検か所の開閉が必要となります。搬出する出入口は防音を考えると、密閉型の片扉が本来望ましいですが、フォークリフトの出入りや大型の鉄籠の出入りをする際は出入りの角度調整が難しく不便となります。
そのため、今回は左右どちらかもスムーズに開閉ができる両開きのスライドドアを取り付けました(写真②)。スライドドアは天面に付けたレールから吊るし動かすために、下方部に若干の隙間を設ける必要があります。この隙間から音が出てしまう可能性がありますので、漏れやすい音なのか、漏れにくい音なのかの確認がさらに必要となります。
騒音源側が吸音構造のため遮音構造の壁よりも外に漏れる音を軽減できます
また、隣に他社の防音室があったので比較がしやすかったのですが、騒音面側(つまり室内側)を遮音構造(例えば石膏ボードやALCなど)にしているとどんなに重量を増しても反響して隙間から漏れてしまいます。
騒音源側を吸音構造にすることで、遮音構造の壁よりも外に漏れる音を軽減できました。結果、比較してみますと騒音源側で97db発生しているとした場合、遮音構造は外側で85.6db、騒音源側が吸音構造は外側で82dbとなりました。たった3dbの差ですが聴覚で聞いても、違いがはっきりとわかります。
また、防音壁で囲った内部でも大きな差が出ました。遮音構造は室内で騒音が反響し元々の発生音よりも約5db増えましたが、吸音面は室内の騒音値が5db低減しました。騒音源側で働く従業員にとっても吸音対策を行うことで効果の高い成果を上げることができます。
労働基準の安全衛生ガイドラインに則り85db以上の騒音は防音対策が必要です
労働基準の安全衛生ガイドラインでは85db以下は耳栓を外せますが、85db以上は耳栓を付けなければならない上、何らかの防音対策が必要となります。同じ防音対策を行ったとしても、騒音源側での吸音構造と遮音構造では外に漏れる音の差が出ます。
静科では防音対策と既存の作業をヒアリングした上で対策を検討したします。ご相談がございましたらお問い合わせよりお申し付けくださいませ。