ピアノやオーディオの遮音対策~効果がないケース2パターン
こんにちは、ソリューション事業部です。
先日、集合住宅にお住いのお客様より、「遮音シートを壁に取り付けて、防音ができますか?」という質問をいただきましたが、「おそらくできません」と回答させていただきました。
ケース①:遮音シートを部屋の壁につけた場合
遮音シートは一般的に重量によって音を遮断・軽減をします。屋外や壁がないところで単体で遮音シートを使用すれば、ある程度の効果を体感することができますが、部屋の壁につけてもあまり遮音効果がありません。重量で音を遮音する場合は、壁につける素材の2倍の重量でないと5db下がらないと言われます。つまり、部屋の壁が㎡あたり15kgである場合、30kgの壁でないと5db低減できないのです。
遮音シートの重量は㎡あたり1.5~3kgなため、マンションの壁厚や仕様を見ていけば、遮音シートの効果が出るかどうかのおおよその判断ができます(なお5dbの低減は体感上1/3程度になるともいわれますが、ほとんどわかりません)。
ケース②:複数の素材を組み合わた場合の遮音効果
遮音シート以外に石膏ボードなどで遮音を行う場合も同様のことが言えます。ただし、複数の素材を組み合わせることで、遮音材よりも重量を抑えながら全体の音域を低減させる方法もあります。例えば、遮音シート、石膏ボード系は高音域の遮音性に効果がありますので、声やTV音であればある程度性能を発揮します。
しかし、オーディオやピアノなど低音も発生させる音源の場合は2重、3重にしても弱い周波数帯が漏れてしまいます。そのため、遮音シートの前に吸音材を取り付け、低音に効果の高い制振材、遮音材という順で取り付けると効果が出やすくなります。それぞれ音に対して別の効果を発揮しますので、一体化させることで相乗効果を出すことができます。
オーディオやピアノの防音室をご検討のお客様は、部屋の壁の材質の確認・検討も必要です。また、施工店さんであれば、効果の高い材質を使用しても、隙間の処理まで気を使わないと、音漏れの原因となりますのでご注意ください。
弊社の製品は「重量に頼らず」遮音が可能!
重量に頼る遮音性向上は、建築物の重量構造や部屋の有効使用面積が狭くなります。施工費や様々な調整がお客様のご負担となります。弊社では、できる限りお客様の負担にならないように軽量な吸音材を取り付ける提案を行っております。吸音材を取り付けることで、壁厚や重量に頼らず遮音性能を向上させることが可能になります。
ちなみに弊社では、会話などの音は「一人静Esprit」、ピアノやオーディオなどの中高音域には「一人静Esprit Life」という吸音材をAmazonにて取り扱っております。皆様のご相談から、状況や環境に合わせた提案をさせていただきます。ご相談は「お問い合わせ」よりお申し付けくださいませ。