防音材を使わずに遮音する方法。湿度・温度による遮音効果
音の遮音には、遮音シートだけではなく湿度や温度も影響します。例えば、温度が0℃で湿度30%の場合は、500Hz部分が1km離れているところで3.73db遮音できますが、同じ周波数で20℃、湿度30%の場合は2.52dbの遮音となります。周波数が高いほど湿度・温度の影響を受けます。なお、すべて1km離れたところと想定しております。
周波数Hz | 湿度30% | 湿度50% | 湿度90% | |
500 | 0℃ | 3.73db | 2.08db | 1.45db |
20℃ | 2.52db | 2.73db | 2.71db | |
1000 | 0℃ | 12.7db | 6.83db | 3.66db |
20℃ | 5.01db | 4.66db | 5.30db | |
4000 | 0℃ | 69db | 71db | 43.2db |
20℃ | 48.5db | 29.4db | 20.2db |
これで見ると、4000Hzという高い音域は同じ温度でも湿度が違うだけで20db以上の差が生じます。4000Hz、温度0℃・湿度30%ですと遮音性能が70db以上ですが、厚さ150mm程度のコンクリートの壁があるようなものです。例えば工事現場の音が1km先の家だと、秋には聞こえていた騒音が、冬には聞こえなくなる可能性があるのです。ただし低周波(周波数100Hz以下)は温度・湿度の影響をほぼ受けません。