遮音シート・遮音パネル・吸音パネルのそれぞれの素材や効果を比較
こんにちは、ソリューション事業部です。今回は『遮音シート、遮音パネル、吸音パネルの違い』についてご紹介いたします。
どのワードでもネット上で情報が多数でてきますし、意味合いでは『防音』にはなりますが、効果はそれぞれ異なりますので、使用環境・用途によって様々ご検討いただく必要がございます。
遮音シート・遮音パネル・吸音パネルの素材について
遮音シート
製品の概要を簡単にご説明しますと、は樹脂やゴム、薄い金属などを用いたシート状の製品です(厚さは1~5mmと様々です)。
遮音パネル
金属、木材、コンクリートなど複数の材料を組み合わせた製品です(厚さは20~150mmと様々です)。通気性のない、硬質の素材で構成されたもの(例えばコンクリート素材単体)でも遮音パネルということもあります。
吸音パネル
多孔質の材料やスポンジなど、吸音材と呼ばれるものをパネル状(表面に吸音材、背面に合板など)にしたものをいいます(厚さは20~150mm程度です)。
各素材の効果について
①遮音効果
室内の音が外に漏れないようにする効果です。『吸音パネル→遮音シート→遮音パネル』の順で遮音効果が上がります。基本的に比重があるもので構成されていると遮音効果が上がります。元の素材よりも、比重が2倍上がると5db向上、厚さが2倍に増えると5db向上されるといいます。遮音効果を示すデータは『透過損失』といわれるものがあります。
②吸音効果
室内の音が内部で反響するのを抑える効果です。『遮音シート→遮音パネル→吸音パネル』の順で吸音効果があります。吸音効果を上げるには『空気層』を多くとり、表面の通気性を上げることで向上できます。そのため、遮音シートや遮音パネルに吸音材がついていても、厚さや開口率が限られているため効果は限定的となります。吸音効果を示すデーターは『垂直入射』『斜め入射』『残響室法』などがあります。
③制振効果
振動を抑制する効果になります。機械の振動や歩行音の振動を抑制するには、振動専用の製品がありますので、あくまでも参考程度ですが、『遮音パネル→吸音パネル→遮音シート』の順で効果が得られやすいです。遮音パネルの場合、振動を低減させるために有効な、絶縁や非拘束(柔軟性のある)系の素材を用いない場合が多いので、振動が伝わりやすくなります。遮音シートの場合は、素材によりますが、非拘束素材と拘束(剛性のある)素材で構成されていると、振動抑制に効果的です。
④価格
それぞれの製品の市場環境が違うため、一概には言えませんが、『遮音シート→吸音パネル→遮音パネル』の順で高くなると思われます。遮音シートは、建造物の建材や工事現場などに使われるため、汎用性があります。また、吸音パネルは音楽市場に使われるため、ホームセンターなどでも購入できます。遮音パネルは防音壁などとして公共施設などに多く、比較的高額な部類だと思います。
弊社の『一人静 タイプA』は遮音効果と吸音効果の両方が備わっております。制振製品も現在開発中です。「防音」という括りの中でも、上記①~③の分け方や、実際の騒音の状況・発生環境によって素材選びを慎重に行っていただく必要がございます。
様々なご相談内容に合わせて、製品や対策案を提案させていただきますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。