20Hz以下の超低周波による鼓膜の振動を体験@東京大学
前回に引き続き、低周波・超低周波の体験をご紹介いたします。
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大学の実験室内で超低周波を体験
人間が聴き取れる周波数は、20Hz~20,000Hzだと言われておりますが、100Hz以下を低周波、20,000Hz以上を超音波と分けております。さらに20Hz以下は、人間の耳には聞こえないといわれる音域で超低周波と呼ばれます。
超低周波、騒音の現場ではよく話題に上がりますが、実際にどんな音かは経験したことがありません。今回は大学の実験室内で超低周波を経験しました。無響室(音の響きがない部屋)に口径30cmのスピーカーを16台設置し、純音(ほかの周波数が混じっていない音)にて20Hz以下を発生させます。そうすることで、より超低周波の影響を受けることができます。
12.5Hzになると音は聞こえないものの鼓膜は振動
40Hzまでは、地響きのような低い音が地面を振動させながら聞こえてきましたが、20Hz以下の12.5Hz部分を80dbにしても何も聞こえません。80dbは一般の生活騒音では、犬の鳴き声程度の大きさです。しかし、音は聞こえなくても、鼓膜を振動させるような現象が体験できました。相当な振動が出ていることが分かりました。ただし、20Hz以下で80dbという音量は、自然界では中々あるものではありません。また、実際の生活では、様々な音にマスキングされて感じにくいと思います。
環境省では、平成27年度に、風力発電の超低周波が及ぼす影響の研究成果を、報告書としてまとめるそうです。現在超低周波の人体の影響として、不眠や振動などの問題が上がっています。有識者や専門家の研究成果をもとに報告されますので、こちらも気になるところです。