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株式会社静科

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    2015-09-16

    保育園内の音環境づくりを考えます!

    前回、保育園の騒音問題を取り上げました。今回は、外に対してではなく、子供の為の室内の音環境を考えていきます。室内の音環境に関しましても、特に明確な決まりはありませんが、日本建築学会にて建物の残響時間の目安があります。残響時間とは、JIS規格ではたとえば100dbの音が発生した場合、60dbまでに下がる時間を表します。響きやすい部屋であればあるほど、60dbまで下がるには時間がかかる=反響する、ということになります。

     

    では、残響時間があると幼児にどのような影響があるのでしょうか?大きくは幼児のうちに形成される言語習得能力と周囲の人間とのコミニケーション能力に関わります。発音の一つ一つは反響によって聞こえ方が変わります。CNNのニュースでは、幼児期の読み聞かせが左脳の発達に影響することが判明したそうですが、西欧諸国では音声がはっきり聞き取れる音環境を目指して残響時間を短めにする設計がされています。日本の場合、子供がうるさいのはしょうがない、という観点からこの基準があいまいです。周囲で子供を育てようといういい意味や、基準がないためうるさいから出ていけという意味の解釈ができてしまいます。

    個別に保育園の音響測定や対策を行っている設計士・施工店はあります。しかし、対策内容はあくまでも独自案ですので共有がなされておりません。ガイドライン制定と踏まえ、外と室内の問題を含め、保育所や幼稚園の音環境データーの情報共有・蓄積が必要です。

    静科でも以前保育園の音環境改善の為、音響測定を行いました。結果、残響時間が1.2秒となり、この響きにより子供たちを興奮状態にさせてしまいます(ワンワン響くので興奮してしまう)。この数値を0.8秒にするように対策を進めておりますが、こちらはまた次回に致します。