エコキュートの低周波音の防音・騒音対策@神奈川
エコキュートの稼働音が夜間気になる、というお問い合わせいただきました。エコキュートとはヒートポンプ技術を利用して空気の熱でお湯を沸かす機能を持っており、従来給湯器よりも光熱費を抑えることができるそうです。ただし、長時間稼働させることで「低周波音」が発生する可能性もあるようです。
IRORIO エコキュートの低周波に「健康被害の可能性あり」消費者安全調査委員会が報告
人間の可聴音域(聞こえる範囲)は20Hz~20,000Hzといわれております。その中で、100Hz以下を低周波と呼び、20Hz以下を超低周波と分けております。低周波は日本の基準では環境省で参照値が作製されております。
参考 : http://www.env.go.jp/air/teishuha/qa/
ただし、低周波が人体に与える影響に関しては医学的な見地からまだまだ検討中の段階です。そのため、エコキュート=低周波という図式だけでなく、様々なヒアリング・調査から対策検討が必要になります。また、騒音の中でも、250Hz、315Hzは比較的低周波に間違えやすい音域(うごめくような音が発生)をもっておりますので、予断を許しません。
今回のヒアリングでは、頭が痛くなる、夜 気になって眠りにくくなるという「低周波騒音」に近い現象ではありました。また、現場確認ではエコキュートと室外機があり、どちらかの可能性があります(両方もあり)。併せて、1Hz~100Hzまで確認できる低周波騒音測定をおこないました。
結果、63Hz近辺の騒音が発生していることがわかり、対象箇所への対策施工を行いました。今回は防音壁のようにエコキュート、室外機周囲を囲いました。熱交換などがありますので、排熱・吸気をさせつつ、騒音源の低減をおこないます。低周波の場合、対策が非常に困難なため、完全な遮断はできませんが、できうる限りの対策で63Hzで5db、100Hzで10dbの低減ができました。
今回はエコキュートでしたが、騒音以外で低周波がどこにでも存在します。涼しげに感じる滝の音や、治療器としての役割も果たします。快適な環境を考えていくうえで、低周波との付き合い方も考えていかなければいけません。