工場屋外ポンプの騒音対策~低音域対応の防音カバーによる約20dBの減衰効果で敷地境界線の騒音基準値をクリア
こんにちは、製造部岩崎です。
先日、最寄り駅前の商業ビルにできたという鳥料理の居酒屋にいきました。サワーやハイボールが時間問わず100円ということで怖いもの見たさ半分で入ったのですが、値段の割にはしっかりしていて、あらゆるものが物価高騰している中頑張っていることに関心してしまいました。その代わり店員さんがお店の広さの割には少なめで忙しそうにしており、少し可哀そうでした。広い心で接してあげてほしいと思います。
さて、本日の記事では「屋外ポンプ用防音カバー」の設置事例をご紹介します。
工場屋外のポンプ騒音
化学品メーカー様より騒音対策のご相談があり、工場屋外のポンプの騒音を敷地境界線上で下げたいとのことでした。
敷地境界線とは、自身の敷地(今回の場合化学品メーカー様の工場)と隣接する他者の敷地(近隣住民の方)の境界線を指します。細かい説明は割愛しますが、騒音規制法ではこの敷地境界線での騒音レベルが基準値で定められています。
昨今、様々な分野で騒音関係の問題が顕著になってきており、各機械メーカー様も音が出にくい静音タイプを開発するなどご尽力されておりますが、コストの懸念や、そもそもがとても古い機械を使っているところが多いなど、対処が滞っているケースも見られます。
ポンプも上記のような機械(ブロア、粉砕機、室外機など)と同じでメジャーな騒音源の一つです。主に問題になるのがモーターの駆動音で低く唸るような騒音が特徴です。今回は対策として、最も効果の高い防音カバーで囲う方法をご提案させていただきました。
一人静タイプLで低周波帯域の騒音を対策
こちらのポンプ騒音を対策するにあたり、ご提案させていただいたのが一人静タイプLを使った防音カバーの設置です。仕様は以下のようになります。
- 低音域に有効な「一人静タイプL」を使った5面体防音カバー
- 外寸は約1m×2m×1m
- 機械の突起部分を避けるため、防音パネルの表面を一部カット加工
- 配管部分の微妙な隙間は遮音シートとアルミ複合材で塞ぐ仕様
他の施工事例と異なる点として、機械の突起部分の避け方が挙げられます。通常、機械の突起部分を避けるには開口を作ったり、そもそもカバーの内寸を広げるなどして対応することが多いですが、今回は設置場所の外寸に限界があることや、可能な限り開口を開けたくないというお客様のご要望もありました。
そこで特殊な対応として、パネルの表面を突起に合わせてカット加工する、という処置を取ることで開口を広げることなく外寸の制限の問題をクリアできました。パネルはアルミ製なので丸鋸、ジグソーで簡単にカットできる、という利点が上手く活かせた施工でした。
防音効果については、現地の簡易測定で、設置前と設置後で約20dBの低減が見られました。低音を含む幅広い周波数帯域で非常に高い低減値が得られ、効果的な騒音対策をご提供することができました。また、敷地境界では距離減衰込みで更なる低減が得られ、暗騒音に近い数値になりました。
このくらいの規模感の施工でしたら長くても2日、早ければ1日で対応することが可能で、機械をストップする期間も最小限に留めることができます。
近隣の方への対策だけでなく、従業員の方に向けた対策(作業環境改善)にも対応しておりますので併せてご検討宜しくお願い致します。