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株式会社静科

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    閑静な住宅街エリアにある分析施設の室外機の騒音対策~片扉付き3面体の防音壁により敷地境界上で20dB低減

    こんにちは,製造部岩崎です。

    本日は、「室外機の近隣への対策事例」をご紹介したいと思います。

    分析機関の建屋周りの室外機騒音の対策

    今回のご相談は、とある分析機関会社様の屋外にある室外機騒音を敷地境界線上に向けて対策したいという内容でした。

    通常の工場であればそもそも場所が工業区域として分かれていたりするものですが、分析機関など常時機械から音が出ているわけではない施設については、閑静な住宅街の中に会社があるケースも珍しくありません。本案件でもそのような状況下での音のお悩みで、近隣の方への対策として防音壁のご依頼を受けました。

    室外機は屋外の騒音対策としては最もメジャーな機械の一つです。室外機騒音は主にモーターや圧縮機の駆動音や送風音といった空気伝播音がものが原因であるため、遮音性のある防音壁を立てて対策するのが効果的です。

    過去にも工業用、個人用問わず、様々な条件下で室外機の騒音対策は行っておりますので、併せてご覧いただければと思います。

    関連リンク:「室外機」の施工事例リンク

    低音域~高音域まで対応可能な「一人静タイプL」にて片扉付きのコの字型防音壁を製作

    設置はお客様の方で対応とのことで、弊社では防音パネルと扉の製作にてご協力させて頂きました。主な仕様は以下のようになります。

    防音壁仕様詳細

    • パネルには低音~高音まで幅広く対応できる「一人静タイプL」を使用
    • 横5m×奥行2m×高さ2mの3面体(コノ字型)に室外機を囲うことで空気伝搬音の低減が可能
    • 防音壁の上部は開放だがパネルの吸音性能が高いので回り込み音にも強い仕様
    • メンテナンス用に防音パネル仕様の片扉を製作

    室外機の種類や設置状況にもよりますが、こちらのお客様のケースでは低い音が気になるとの事で、低音にも強い「一人静タイプL」をパネルに選定しております。

    扉部分も同じ防音素材で製作しているため、音の性能を下げることなく利便性をあげることができます。今回は特にご要望がありませんでしたが、パネルの素材がアルミで非常に加工しやすいのが特徴で、扉以外にも窓や開口などの加工も容易に対応することができます。

    防音効果としては、設置前と設置後の比較でおよそ20dB程度音が下がったとのご報告をお客様より受けており、上部が開放の3面体としては非常に満足のいく数値になりました。敷地境界上での20dB低減なので、隣家へは更に距離減衰と家の壁の低減が加わり、より良い結果になると期待できます。

    近頃は気温の変化が著しく、今週も3月というのに気温が30度近く上がった地域もあったそうです。室外機の稼働タイミングも幅広くなってきており対策が求められるケースも増えてきています。条件や時期にもよりますが、防音壁の設置までには発注から1~2カ月かかることが見込まれますので、暑くなってくるまえに、早めにご相談頂ければ幸いです。