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株式会社静科

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    ルーツブロワーの騒音対策~現場の複雑な配管に適した5面体防音カバーにて敷地境界線騒音基準値に対応

    みなさんこんにちは、製造部の横山です。

    興味があることがあれば、見たり調べるだけでなく、実際に行うことが大切なのは理解しているつもりですが、物事に対しての第一歩が踏み出すのが年々難しくなっていると感じています。そんな自分は、数年前から行おうと思っていた、マイナンバーカードをようやく今月発行致しました。

    余談はここまでにして。今回は「ルーツブロワー用防音カバー」についてご紹介したいと思います。

    周囲への環境改善を考えているお客様からのご依頼

    本案件は、工場敷地内の屋外に2台並べて設置されている、ルーツブロワーの稼働音が、敷地境界線近くに設置されている事も関係し、境界線での基準値を超えており、基準値以下にする為、防音対策を行いたいということで、弊社にお問い合わせを頂きました。

    ルーツブロアとは?

    外部圧縮を利用した容積式コンプレッサーです。独自形状のローターの回転運動によって効率的に空気を供給する仕組みで、自動車のエンジンで使用される「スーパーチャージャー」もルーツブロワーです。自動車以外にも、多様な空気供給システムに使用されています。

    配管避けの開口部には遮音シートを採用

    現場では、ルーツブロワーが設置されている周囲には、他機械類も設置されており、複数の配管が配置されていました。既設配管は、稼働を一時的に停止させ移設や増設を行うことは難しい為、配管を通すことが可能な開口を設けた防音カバーの形状にしつつ、複数の配管を避ける為、大きい開口部分には、遮音シートを取り付ける仕様にて、提案致しました。

    また、日常での使用方法を確認したところ、メンテナンスは頻繁に行うこともないものの、稼働時にルーツブロワーに付いているメータを確認を行うとのことでしたので、メータ部には、厚み10mmのポリカボネートを採用した、はめ殺し窓を配置することにより、できる限り防音性能を損なわず視認性の確保を行いました。

    下部から吸気を行い天面から排気を行う「エアフロー加工」を採用

    ルーツブロワー正面部分に吸気ファンが付いていることもあり、吸気口の正面部にパネルを開口し、吸気量を損なうことがないように加工を行いました。本案件では「一人静 タイプA」を用いて製作しており、パネル自体が断熱性を備えていることから、ルーツブロワー全面を囲った防音カバー内で、機械の稼働熱により、内部の空気が温められることが考えられます。

    天面パネルに排気開口を設けることで、温かい空気が排出されるカバー内部の空気が籠もることがない空気の流れにしました。また、開口を設けることで懸念される、防音性能の低下には、防音パネルで製作した防音フードを取り付けることで、防音性能の低減を極力抑えております。

    本案件では、機械が稼働することによる排気熱や稼働熱がそこまで大きくないことから、自然換気としておりますが、排気や排熱量が大きい場合は、開口部分に大型ファン等を設置した機械排気による仕様もご提案させて頂いております。

    工場内にて防音カバーを仮組み

    防音カバー仕様

    • 使用パネル:一人静 タイプS
    • 全体サイズ:1,500mm x 1400mm H1,200mm
    • 製作期間:2週間
    • 防音カバー仕様:配管用開口、給排気開口

    今回は、「ルーツブロワー用防音カバー」についてご紹介させていただきました。弊社は、現場状況や騒音対象物に応じて防音対策をご提案を致します。加工を加えることで、様々な付加効果を追加することも可能ですので、まずはご相談頂ければと存じます。些細な事でも構いませんので、騒音相談WEBツールより、ご気軽にお問い合わせください。