コンプレッサーの騒音対策~大型ファンと「一人静タイプD」採用で室内温度を25℃以下に保ち14dBの低減に成功
皆様こんにちは。製造部の大澤です。今回はコンプレッサー向け防音室についてご紹介いたします。
導入背景について
今回ご相談頂いたのは、とある自動車関係の研究所の方からでした。研究施設増設に伴い、新たな研究のためにコンプレッサーを2台導入予定のため、コンプレッサーの導入に合わせて騒音対策も行いたいと、弊社にお問い合わせいただきました。コンプレッサーを2台まとめて囲う、メンテナンス用に人が出入り可能、室内を25℃に保ちたいとのご要望を反映させ、設計、製作、施工いたしました。
コンプレッサー用防音室概要
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- 一人静タイプD(t37mm)使用 床無5面体防音室
- 外寸:幅3,022mm×奥行2,609mm×高さ2,545.5mm(防音フード含まず)
- 内寸:幅2,942mm×奥行2,429mm×高さ2,507mm
- 正面に片開式扉:幅800mm×高さ1,800mm取付
- 側面下部(コンプレッサー吸気部付近)に吸気用開口及び防音フード取付
- 天面に大型吸排気ファン各2台ずつ取付
- L字アングルを用いてパネルと床をアンカーにて固定
放熱性のある「一人静タイプD」を採用し防音カバーを製作
コンプレッサーを通常の防音パネルで囲った場合、室内に熱が籠ってしまう可能性が大いにあります。それはコンプレッサーの排熱が大きいというのもありますがもうひとつ、防音パネルが断熱効果を持っていることが多いことも起因します。そこで弊社の「一人静タイプD」が活躍します。弊社の代表製品である「一人静タイプA」はセラミックハニカムと発泡樹脂をアルミ材で挟んだ構造となっており断熱性がある一方で、「一人静タイプD」はセラミックハニカムの部分をアルミハニカムに変更した構造となっており、熱伝導率を上げることで放熱性が生まれます。そのため今回のように機械が発熱して熱籠りが懸念されるような場合は、「一人静タイプD」を選定するようにしています。
室内を25℃以下に保つ
放熱性のあるパネルを扱ったとしても内部の機械の発熱量が多いと放熱作用のみでは賄えない場合があります。本案件ではさらに部屋内の温度を25度以下に保てるようにしてほしいとのことであったためコンプレッサーの出力から必要換気量を計算し、吸排気用に天面に条件を満たした大型の吸排気ファンをそれぞれ2台ずつ取付いたしました。加えて吸気に困らないようコンプレッサー自体の吸気口付近にも防音フード付きの開口を設けました。
防音室設置後は14dBの低減を確認
現場の暗騒音が59dBに対してコンプレッサー2台稼働時79dBのところ、防音室設置により稼働時は騒音レベルが65dBとなり、14dBの低減を確認することができました。今回2台のコンプレッサーに対して余裕をもって大きく囲ったことにより、吸音面が増えたことが今回の結果につながったものと思われます。開口を多く設けましたがそれぞれに防音フードを設けた為音漏れも少なく済ませることが出来ました。
終わりに
いかがでしたでしょうか。今回は、コンプレッサー向け防音室についてのご紹介となりました。防音対策導入にあたり、どのような仕様にするのか迷われている場合でも、弊社は、現場状況や騒音源に応じてご提案をいたします。具体的な話でなくとも些細な相談でも問題ございません。騒音対策や防音工事等のご相談は、お気軽にお問い合わせください。