ドイツの休日「Ruhezeit(休息時間)」をご紹介~存在理由や騒音対象について
こんにちは、製造部岩崎です。
今年は巳年ということで、蛇に怖いイメージを持つ方もいるかもしれませんが、「成長」や「再生」といったポジティブなイメージもあります。蛇は脱皮を繰り返して成長していく生き物です。私たちも新しい経験や学びを通じて自分を成長させることができます。蛇のようにゆっくりとしなやかに動ける「柔軟性」をもつことで、課題を解決できるように今年は取り組んでいきたいと思います。
さて、本日の記事では騒音にまつわる豆知識として「ドイツのRuhezeit(休息時間)」についてご紹介したいと思います。
ドイツの休日にまつわるルール「Ruhezeit(休息時間)」
ドイツでは「Ruhezeit」(ルーエ”静かさ”+ツァイト”時間”)という、静かにしなくてはいけない時間帯があり、なんと法律で時間帯や対象となる騒音が決められています。
厳密には地域や集合住宅ごとによりますが、概ね以下の時間帯がRuhezeitに指定されています。
- 日曜日と祝日(終日)
- 平日、午後10時~午前6or7時まで
- 平日、午後1時~3時
実はドイツでは「閉店法」という法律もあり、日曜日や祝日になると飲食店を除くほとんどの商業施設が営業していません。キリスト教徒が大部分のドイツ人にとって日曜日は安息日となり、街中に静寂な時間が流れます。
なんのためにRuhezeit(休息時間)は存在するのか
日曜日は宗教的な観点からも特別な日であり、ドイツ連邦共和国基本法(憲法)にも明記されております。
Art. 139
Der Sonntag und die staatlich anerkannten Feiertage bleiben als Tage der Arbeitsruhe und der seelischen Erhebung gesetzlich geschützt.
※引用元:GG – Grundgesetz für die Bundesrepublik Deutschland
訳:日曜日および国が認める祝日は、仕事から離れて精神を高める日として法的に保護されています。
主婦及び主夫の方々も含め、日曜日や祝日の間は、皆が憲法の下にゆっくり休みましょう、ということが示されているのですね。
また、ドイツでは持ち家比率が50%程度と、EU加盟国の中で最下位となっています。(日本は60%程度)
持ち家が少ない代わりに賃貸物件が多く存在するのですが、こういった事情もあり、より厳しいルールが用いられているのかもしれません。
騒音となる対象
一般的に下記のような騒音がRuhezeitの規制対象となるようです。
- 掃除機や洗濯機、芝刈り機などの家事関係
- シャワー、お風呂
- 洗車
- 電動ドリルやハンマー、トンカチの音などのDIY関連
- スピーカーなどで音楽を大音量で聴くこと
- 楽器の演奏
- パーティ
- 犬や猫などの動物の声
一方で赤ちゃんの泣き声などの、どうしようもない生理現象に関しては寛容であったり、一戸建ての住居なら夜中に洗濯機を回しても問題がないなど、ルール一辺倒にならず状況に応じて柔軟に対応されているところがあるそうです。
防音ブースを作る事で対策可能
日本ではドイツのように細かに日時や騒音の規制が行われているわけではありませんが、「騒音規制法」によって工場や事業所、建設現場で発生する騒音や、自動車が走行する際に発生する騒音などを規制し、騒音が発せられる周囲で生活する人の環境や生活の保護しています。
本格的な防音性能を求める場合、建物を建てる段階から計画的に防音工事を施す必要がありますが、後発的に簡易的な騒音対策をすることも可能です。
代表的な例としては「防音ブース(防音室)」を作る方法があります。芝刈りや掃除機などの広範囲のスペースを用いる騒音には対応できませんが、音楽や楽器、DIYなど省スペースでことたりる事象に対しては非常に有効な手段となります。
防音ブースは様々なメーカーから販売されていますが、静科の防音ブースの利点はオーダーメイドでサイズや仕様を自由に設定できる点です。静科で過去に製作した防音ブースの記事をいくつかまとめてみました。
過去の防音ブース制作事例
- オープンオフィスに『一人用防音ブース』を納入@東京都~ビデオ会議やリモート通話用に最適
- ラジオ局のレコーディング用防音室の製作~シェアオフィスの防音ブースにも最適
- メンテナンス・レジリエンスショーTOKYO2023@東京ビックサイト
このように、用途によって大きさ、形、オプション(窓やファンなど)を変更することができます。他にも、楽器や歌の練習をするための部屋、オーディオを楽しむための部屋、周囲の音を遮り静かな空間を作るための部屋など、幅広い要望に対応することができます。
ドイツでは上記のようなルールがあるにもかかわらず、防音室や防音ブースの普及率はそこまで高くないそうです。この記事を読まれているドイツの方はあまりいないかもしれませんが、もし周りにお困りの方がいらっしゃる場合は、こちらをご紹介頂ければ幸いです。