春節に向けて短期間の休暇を取って帰国~ベトナムの旧正月「テト」について
こんにちは、製造部のズオンです。最近はだんだんと冬らしくなってきて、早起きして朝出かけるのがちょっと大変です。面談中に会社と相談した後、春節に向けて短期間の休暇を取って帰国しました。今回は旧正月について少しご紹介したいと思います。
ベトナムで最も重要な祝祭である「テト(Tết Nguyên Đán)」は、日本の正月に相当する旧暦に基づいた新年の祝日です。テトは単なる年の変わり目ではなく、家族が集い、先祖を敬い、希望に満ちた新たなスタートを切る特別な時間です。その深い文化的意義と多彩な伝統は、ベトナム人の生活と精神に根付いています。
テトの意味
テトは、家族と自然の再生を祝うと同時に、過去を振り返り未来への希望を抱く時間でもあります。この期間、ベトナム人は家族の絆を強め、先祖への感謝を捧げ、次の年の健康、繁栄、幸運を祈ります。
テトの主な伝統
1. テト準備の賑わい
家の掃除と装飾: テトを迎える前に、家を徹底的に掃除することで不運を払い、新年の幸福を迎えます。また、花や提灯で家を飾り、明るい雰囲気を作ります。
テト市場での買い物: 市場は鮮やかで活気に満ちた場所です。桃の花(北部)や梅の花(南部)、金柑の木、伝統的な食品が並び、テトの特別な空気が漂います。
2. 祖先を敬う
テト期間中、ベトナム人は祭壇に食事や果物を供え、祖先に感謝と新年の挨拶をします。これは家族のルーツを大切にするベトナム文化の象徴です。
3. 新年の挨拶とお年玉(リシー)
新年の挨拶はベトナム語で「Chúc mừng năm mới」と言い、意味は「新年おめでとう」です。子どもたちや若者は、大人や祖父母から「リシー」と呼ばれる赤い封筒に入ったお金をもらい、これが新しい幸運を象徴します。
4. 初詣と「土地の初訪問」
元日の最初に家を訪れる人(「xông đất」)は、家族の一年の運勢に影響を与えると考えられます。そのため、訪問者の性格や運勢が重要視されます。また、人々は寺院に足を運び、新年の繁栄を祈ります。
テトと食文化
ベトナムの旧正月を語る上で欠かせないのが料理です。
バインチュン(Bánh chưng)とバインテット(Bánh tét): 緑豆、豚肉、もち米を竹の葉で包んだ伝統的な餅で、テトの象徴的な食品です。
漬物や肉料理: 酸味のある漬物や煮込み肉料理は、家族の団らんを象徴します。
五果(mâm ngũ quả): 幸福、豊かさ、長寿を象徴する5種類の果物を祭壇に供えます。
テトは家族の時間
テトは一年で最も家族が集まる機会です。遠く離れて暮らす家族もこの時期には帰省し、共に笑い、食卓を囲み、伝統を分かち合います。この特別な時間が、テトをベトナム人の心に刻み続ける理由です。
まとめ
テトは、ベトナムの豊かな文化と精神を象徴する祭りです。家族や地域社会が一体となり、過去を大切にしながら未来への希望を育むこの祝祭は、ベトナムの生活に欠かせない存在です。ベトナムを訪れるなら、この特別な時期にその魅力を体験してみてはいかがでしょうか?
Chúc mừng năm mới!(明けましておめでとうございます!)