【製品開発ブログ】新規屋内向けパネルの性能の比較~等価騒音レベルで検証・考察
みなさんこんにちは、製造部の横山です。
普段あまり物を買い替えたり、欲しいものが増えることは無いのですが、先日にamazonのセールがあったタイミングで、たこ焼きが食べたい気持ちが高くなり、思わずたこ焼き器を購入してしまいました。周囲の人は、たこ焼きが食べたくなったら、たこ焼き屋に買いに行くとのことでしたが、私は食べたくなったら作るという選択肢が出てきてしまうのは大阪生まれの感性なのかもしれません。
余談はここまでにして、今回は、弊社が製品開発を行っている中で、屋内向けパネルの性能比較を行いましたので、ご紹介したいと思います。
安価な屋内パネルの開発を目指して
弊社製品である、防音パネル「一人静」は、耐候性も備えており屋内外使用可能ですが、構成部材が金属類ということもあり重量が大きくなっており、価格も安いと言える金額ではありません。「一人静」が様々な性能を備えていることもあり、耐候性も考慮しなくて良い、安価な屋内パネルという名目で開発を進めました。
開発を進めていく中で、候補として、「有孔ボード」と「コルクシート」が選定されました。有孔ボードは、皆様が目にしたことが多い場所としては、音楽室の壁面によく使用されています。コルクシートは、壁面の素材として見かけることは、少ないですが、多孔質材料の為音が吸収しやすい点があります。また、どちらも比較的安価な部材であり、様々な厚みにも対応できるのも採用された要因となります。
等価騒音レベルによる測定比較
窓部材と防音パネルを比較する為に、自社防音室内に300角の簡易無響箱を置き、箱内に騒音源となる防犯ブザーを設置、フタ部分には300角の窓部材と防音パネルのパターンを作り、測定比較を行いました。
測定部材として基本となる「一人静 タイプA」と、候補となった部材を用いたパネル材にて測定を行いました。本測定の注意点として、騒音源に防犯ブザーを使用した為、高音域帯が大きいという点があります。
測定の結果(下記の各表参照)ですが、タイプAの性能が一番高く、その次が化粧板+有孔合板(約0.5dB性能ダウン)になりました。時点で性能が良かった物は、化粧板+ロールコルク(約2.0dB性能ダウン)となり他2つは、性能差として約4.0dB差が出た結果となりました。結果から「有孔合板」「ロールコルク」どちらも構造体として使用する部材の組み合わせで性能が変わりますが、どちらも「一人静」と比べて少しばかり性能は落ちてしまいますが、大きく性能が下がることはないことが分かります(表にあるdBは等価騒音レベルにて記載をしており、等価騒音レベルとは、各周波数の平均値となります)。
測定比較から分かったことや着眼点について
今回の測定比較からは、優劣が大きく現れなかったことや、組み合わせにより性能が大きく変わることから、「有孔合板」「ロールコルク」どちらも幅を広げた検証が必要だと分かりました。ですが、選定した部材としては、間違ったものではないことも分かりましたので、更に開発を進めていければと思います。
今回は、弊社が開発している屋内向けパネルについてご紹介させていただきました。弊社は、現場状況や騒音対象物に応じて様々な防音対策をご提案をいたします。些細な事でも構いませんので、まずはご相談頂ければと存じます。騒音相談WEBツールより、ご気軽にお問い合わせください。