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株式会社静科

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    超音波セルディスラプター/ホモジナイザーの騒音対策~「一人静 タイプA」を使用した無響型の防音ボックスを製作

    こんにちは、製造部のズオンです。

    最近はすっかり秋めいてきましたね。短い時間ですが、私にとっては一番楽しい時間です。特にもみじの季節はこれからもみじを見に行き、記念に写真を撮る予定です。

    さて、本日の記事では「防音ボックスの製作事例」をご紹介したいと思います。

    防音ボックスの概要

    防音ボックスとは、内側に吸音材や遮音材が取り付けられている箱になりますが、騒音が発生する機器を中に入れて音を抑えることができる小型サイズのものや、人がボックスの中に入って周囲の音をシャットアウトするような大型のサイズのものがあります。

    使用する用途や環境に応じて設置できるように、防音ボックスにはさまざまなタイプが用意されています。 防音ボックスの具体的な種類は以下のとおりです。

    種類①:簡易型

    簡易型の防音ボックスとは、工事の必要がないため設置の手間が少なく、コンパクトに折りたたんで持ち運びができる防音ボックスのことです。

    発電機や工事現場でのつり作業など、騒音の元となる場所に被せて使うケースが多くあり、災害時には仮設電源の騒音対策として使用されることもあります。

    種類②:施工型

     施工型の防音ボックスとは、人が入ることができる、組み立て型の大型サイズの防音ボックスのことです。

    工場内の大きな音が出る機器類専用の防音室や、病院の聴力検査室として利用されることが多い傾向にあります。簡易型よりも組み立てに時間や手間がかかりやすいですが、業者に依頼すれば短時間で組み立ててもらえることがほとんどです。

    また、簡易型よりも防音の性能が高いので、業務や検査などで周囲の音をシャットアウトする必要がある場合におすすめです。

    種類③:無響型

    無響型は、ボックスや防音室内の音の反響を極限までなくした製品のことで、周囲のほとんどの音をシャットアウトできる製品のことです。「完全無響室」「半無響室」「無響箱」とよばれる3つのタイプに分かれています。

    いずれのタイプでも、周囲の音をシャットアウトする性能が高いため、実験や研究などの測定で使われることが多い傾向にあります。そして今回ご紹介する防音ボックスのタイプは3つ目です。

    超音波セルディスラプター/ホモジナイザーの騒音対策

    お客様の要望は、超音波セルディスラプター/ホモジナイザー機械から発せられる騒音を最小限に抑えた製品を作りたいというものでした。超音波セルディスラプター/ホモジナイザーは、幅広い液体処理用途に適した多目的な実験ユニットです。

    防音ボックスの扉を開けた様子

    防音ボックスの仕様は以下のようになります。

    • サイズ感およそ88cm×73cm×103cmの6面体防音ボックス
    • パネルには「一人静 タイプA」を使用
    • 正面に片扉
    • 内部確認用の覗き窓付き
    • 右側には配線用の穴があります

    この構造の防音ボックスの特徴ですが、防音ボックスの正面を、通常の角枠ではなく、T字枠で固定していることです。これにより、正面がよりコンパクトになり、スペースが節約されます。正面には取り外し可能なハンドルも装備されており、メンテナンスや修理の際に非常に便利です。次にドアの位置ですが、ドアは正面に設置されており、その上に追加の窓が付いています。製品の美観を確保するためにマグネットキャッチを防音ボックスの扉を固定するために使用します。この商品の特徴はマグネットなので扉がしっかりと安全に閉まります。

    防音ボックスを作るのは初めてでしたが、図面を基に寸法を計算し、必要な材料を準備し、防音ボックスの各部の仕上げまで行いまあした。この案件は私にとって困難ではありましたが、多くの経験と教訓をもたらしてくれました。この記事を書いた時点では、この案件の防音効果の結果はまだ出ていないのが残念ですが、後日ご紹介できればと思います。

    試験装置の防音を検討されている方は、是非ご参考にしていただき、お気軽に騒音相談WEBツールよりお問い合わせいただけますと幸いです。