金属切断機の加工騒音対策~「一人静タイプA」を使用した防音ボックスにて約15dB低減
こんにちは、製造部岩崎です。
弊社工場のある厚木はホルモンで有名なのですが、厚木に数あるホルモン屋さんの中でも一番知名度の高い酔笑苑(すいしょうえん)
さんに行ってきました。厚木のホルモンと言えばシロコロと言われていますが、今回注文した中ではアカ(豚の脾臓)という部位がとても美味しく、イメージ的にはレバーから臭みをとって滑らかなにしたイメージでした。こちらのお店はいつも並んでいますが、もし行く機会があれば是非頼んでみてはいかがでしょうか。
さて、本日は「金属切断機用の防音ボックス」をご紹介したいと思います。
金属切断機の騒音と対策方法
金属切断機は文字通り、金属を切断加工する機械のことです。金属切断機の騒音は刃が切断面に当たる時に発生するキーンという高音と、機械自体の発する比較的低い駆動音に分かれます。特に高い音は人間が耳障りに感じる周波数帯であることが多く、作業環境改善のためにも対策が求められます。
騒音対策には機械の置いてある加工場を防音パーテーションで仕切る方法や、機械自体を防音材で覆ってしまう方法などがありますが、後者の方が騒音低減の観点では効果的です。
開口部・小扉付きの防音ボックスを製作
今回は工場内の作業環境の改善の一環として、金属切断機の騒音を対策できないかというご相談でした。防音ボックスの仕様は以下のようになります。
防音ボックス仕様詳細
- パネルには「一人静タイプA」使用
- 外寸約1.4m×1.6m×2m
- 覗き窓付きのスライド小扉
- 材料投入用の開口部
- メンテナンス用小扉
通常の防音ボックスと異なるのが、中央にある覗き窓付きのスライド小扉です。片扉のようにボックス外部へ飛び出すことがないので、周囲のスペースが狭いところでも開閉と中へのアクセスが可能となっております。
他にもところどころに部材の投入口や個別メンテナンスのための小扉が施しております。開口を増やすと音が抜けてしまうのでは?という心配もあると思いますが、パネルの吸音性能が非常に高いため内部の反射音が減り、騒音源から開口部への直線距離で出てくる音以外は漏れにくい構造になっています。低い音はより回り込みやすい性質を持っており対策が難しいのですが、今回はキーンという高い音が顕著でしたので、300mm角程度の投入口くらいのサイズ感でしたら、音漏れは少なく済みます。
こちら、社内の騒音測定実験にて、ボックス内部で90dB程度で鳴らした音が外部にて75~76dBまで低減できました。実際の設置の際は音源が実音になることや、工場内の他の音が関係してくるので一概には言えませんが、騒音障害防止の観点にて、機械単体で見れば十分クリアできている数値になります。
作業環境改善には様々な要素があります。その中でも騒音は目には見えない分野で後回しにされがちですが、いちど騒音性難聴になってしまうと有効な治療法はなく、事前の予防が非常に重要となってきます。是非この機会にご検討ください。