食料品工場の打刻音対策~クリーンルーム内でも使用可能な吸遮音材「一人静タイプZ」を使用した防音カバーを製作
こんにちは、製造部岩崎です。
今週は台風の影響もあり悪天候が続いており、洗濯物を干すタイミングがまったくないので仕方なく部屋干ししています。エアコンの除湿モードとサーキュレーターをガンガン当ててなんとかならないか頑張っていますが思ったほど乾かず、太陽光の偉大さを再認識しています。
本日は食料品工場向けに製作した「機械打刻音対策用の防音カバー」をご紹介いたします。
クリーンルームとは
クリーンルームの定義
クリーンルームとは、空気中に浮遊する微粒子や微生物を制御し、空気の清浄度が一定レベルに保持管理されている部屋のことを指します。「jisc(日本産業標準調査会)」でのクリーンルームの定義は以下のようになっています。
コンタミネーションコントロールが行われている限られた空間であって、空気中における浮遊微粒子、浮遊微生物が限定された清浄度レベル以下に管理され、また、その空間に供給される材料、薬品、水などについても要求される清浄度が保持され、必要に応じて温度、湿度、圧力などの環境条件についても管理が行われている空間。
jisc(日本産業標準調査会)
クリーンルームの4原則
クリーンルームの環境を維持するための基本ルールが以下の4原則です。
- 塵埃を室内に持ち込まない
- 塵埃を速やかに排除する
- 塵埃の発生を抑える
- 塵埃を堆積させない
特に3の「塵埃の発生を抑える」については、クリーンルーム内で使用できる素材に縛りが発生するので注意が必要です。
クリーンルーム内で使える防音材
クリーンルームの4原則の観点から、グラスウールやロックウールのような発塵性のある繊維系の吸音材は基本的に使用不可となります。そこで一般的には、鉄板やアルミ板などの硬質形の素材が使用されますが、これらの素材は遮音性能は発揮される一方で吸音性能についてはほとんどありません。
静科の「一人静タイプZ」は、硬質形でありながら吸音性能を持ち、表面にフィルム構造を取り入れることでクリーンルームでの使用が可能となった非常に発塵性の低い吸遮音兼用の防音材です。従来難しかったクリーンルーム内での吸音ができるだけでなく、単体で遮音性能も持ち合わせており、複合的な対策も必要ありません。
食品工場の機械打刻音対策
冒頭の写真が、今回製作した防音カバーのうちの一つです。こちらは機械の背面へ抜ける音をカバーするための可動式4面体カバーで、パネルには上記の「一人静タイプZ」を使用しております。キャスター付きなので全体を移動させることができ、メンテナンスや機械へアクセスが必要な際にもスムーズに対応が可能です。
今回は背面用カバー以外にも、本体を直接カバーするパネルや正面側に抜ける音用のカバーなど、数種類の防音カバーにて総合的な対策を行いました。
全体の防音効果についてはまだ伺えていないため、分かり次第追記させて頂ければと思います。