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株式会社静科

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    屋外の非常用発電機の騒音対策~「一人静タイプL」を使用した4面体防音壁で10~20dB低減

    こんにちは、製造部岩崎です。

    先日家族から保冷保温機能のあるタンブラーを貰いました。魔法瓶と違い、コップは口が空いているため、保冷するとはいってもたかが知れているだろうと高を括っていましたが、ジュースに氷を入れて放置していたものが2時間後に見ても溶けていなく、びっくりして思わず二度見してしまいました。これから暑くなるのでしばらく確かめる機会はなさそうですが、コーヒーやお茶など保温の性能についても早く見てみたいところです。

    さて、本日の記事では「非常用の発電機の防音対策事例」をご紹介したいと思います。

    非常用発電機とは?

    今回防音のご相談を受けたのが、とある施設の屋外にある非常用発電機の音でした。非常用発電機とは、予期せぬ事故や災害により建物への通常の電力供給が停止した際に、代わりに電力を供給を行うための設備です。非常用発電機は、業務用の大容量タイプの設備から家庭でも使用可能な比較的小型のポータブル電源まで、様々な種類があります。

    非常用電源がない場合、電気で作動する防災設備が使えないという事態に陥ってしまう可能性があります。非常用発電機は災害時の人命救助の生命線であり、被害の拡大を防ぐために必要不可欠です。

    非常用発電機の騒音対策には熱籠り対策が必要

    そんな重要な設備である非常用発電機ですが、他の発電機同様にそれなりの駆動音が発生する機械でもあります。一般的には80~90dB程、出力の大きいものだと100dBを越える場合もあります。

    エンジンを駆動させた際の振動音や機械から排出されるガスの排気音などが主な騒音の原因です。最近ではこれらの音を制御した静音タイプの発電機も発売されているようですが、まだまだ幅広くは普及していないようです。

    対策方法としては防音壁や防音ボックスで囲うのが効果的ですが、発熱のある機械なので箱型で密閉する場合は、何かしらの熱籠り対策は必要になってきます。

    防音壁の製作だけでなく施工まで対応~鉄骨込みで3日間で設置完了

    お客様によってはパネルのみの購入で自社施工を行う場合もありますが、今回は防音パネルの製作から施工まで一貫しての対策依頼となりました。防音壁の仕様は以下のようになります。

    防音壁仕様

    • 5m×3m×3mの4面体防音壁
    • 基礎に鉄骨をアンカー止め、鉄骨とパネルをボルト止めする仕様
    • パネルには低音域に効果の高い「一人静タイプL」「を使用
    • 出入りのための鍵付き扉を1面に取付け

    設置方法としては、基礎に鉄骨を打ち込み、パネルに空いた貫通穴と鉄骨をボルトにて固定していく流れになります。雨による延期などもありましたが、鉄骨込みでおよそ3日間での設置となりました。

    扉も防音パネル仕様にて製作可能

    通常、防音材は屋外で使用できるものは限られ、特に吸音性能を持ったものはすぐに劣化してしまいますが、一人静シリーズは水や湿気に強く、高い対候性を持った製品ですので、メンテナンスフリーで長期のご使用が可能です。

    防音効果については、今回はお客様のご都合で測定ができませんでしたが、他の類似案件をおよそで平均すると、低音域では10~15dB、中~高音域では10~20dBの騒音低減となります。もちろん条件によってはこれより大幅な減衰が望めるパターンもありますが、低い音ほど対策が難しいという傾向は覚えておいて良いかもしれません。