「一人静タイプZ」を用いた超音波式撹拌機用防音ボックスを製作~クリーンルーム内に設置し20dB以上の低減に成功
皆様こんにちは。製造部の大澤です。
先日初めてダイバーシティ東京に遊びに行って参りました。あまり時間がなかったため、さくっと回る形になってしまいましたが、野外に展示してあった等身大ユニコーンガンダムにはさすがに目を奪われて時間を浪費しました。時間のある時にまた行きたいと思います。
さて、今回は「超音波式撹拌機向けの防音ボックス」についてのご紹介です。
クリーンルーム向け製品「一人静タイプZ」を使用した防音ボックスを検討
今回ご相談頂いたのは自動車メーカー様で、クリーンルーム内にある撹拌機の騒音値を下げたいとのことでした。稼働時は超音波を用いるため高周波の耳障りな音が響いており、測定値は87dBでした。高周波であること、クリーンルームに設置ということで、「一人静タイプZ」を用いたボックスを検討いたしました。
「一人静タイプZ」はクリーンルームや油や水が飛び散る環境でもお使いいただけるパネルです。パネルの吸音面にフィルム、パンチングメタルが施されております。従来の防音材は、日光や風などによる経年劣化や水が染み込むことで、中身の吸音材が発塵したり性能が劣化してしまう可能性があります。「一人静タイプZ」は「一人静タイプA」をベースにしており、吸音性能を落とすことなく吸音面からの水の染み込みや発塵を抑え劣化しにくい仕様となっております。そのため、上記のような環境でもご心配なくお使いいただけます。
関連記事:クリーンルーム向け『一人静タイプZ』~発塵・耐水性に優れた防音パネル
超音波式撹拌機向け防音ボックス概要
防音ボックスの仕様
- 一人静タイプZ使用 6面体+5面体防音ボックス
- 外寸:幅420mm×奥行420mm×高さ970mm
- 内寸(下):幅340mm×奥行340mm×高さ500mm
- 内寸(上):幅340mm×奥行340mm×高さ350mm
- 正面片開扉:420mm×580mm
- 扉ロック:マグネット式
- 右側面及び上部背面に配線通し用グロメット取付
- ボックス床面インサート穴により架台とビスにて固定
配線にテンションがかかってはいけない点と、密閉度を高く保つ目的で、配線通し口にはグロメットを採用いたしました。こちらのグロメットは配線を押し当てることで穴が開く仕組みとなっており、工具を使わずとも取り付けることができます。
固定しているビスを取ることにより、防音ボックスの上部と下部を分割することができるような仕様に致しました。上ボックスを取り外した状態で、下ボックスの天板に撹拌機をビスで固定します。
設置前暗騒音63dBに対して撹拌機稼働時87dBでしたが防音ボックス設置後撹拌機稼働で65dBとなり、防音ボックス設置前と比べ、20dB以上の低減に成功いたしました。お客様のご希望であったマグネット式扉ロック含め、大変ご満足して頂ける結果となりました。
終わりに
いかがでしたでしょうか。今回は、クリーンルーム内の超音波撹拌機向け防音ボックスのご紹介となりました。防音対策導入にあたり、どのような仕様にするのか迷われている場合でも、弊社は、現場状況や騒音対象物に応じてご提案をいたします。具体的な話でなくとも些細な相談でも問題ございません。騒音対策や防音工事等のご相談は、お気軽にお問い合わせください。