電子解析装置への外的要因除去としての騒音対策事例~防音ボックスにて外部騒音を20dB程度低減
こんにちは、製造部岩崎です。
先日父の実家に帰省した際、押し入れの整理する機会があったのですが、作業中に奥の方から何やら古そうな箱が出てきました。おそるおそる開けてみると、鉄腕アトムやパーマンの絵柄が描いてあるメンコが大量に出てきました。おそらく父が昔集めていたものだと思うのですが、当の本人はすっかりと忘れていたようです。私自身、物心ついた頃には既に平成に入っておりましたが、少しだけ昭和の香りを感じることができた週末でした。
さて、今回の記事では防音ボックスの製作事例として「電子解析装置用防音ボックス」のご紹介をいたします。
電子解析装置への周辺音対策
今回、精密機器メーカー様よりご相談があり、電子解析装置へ与える周囲の音の影響を軽減したいという内容でした。
音というものは気体、固体、流体などの媒体を振動させることで伝わっていきます。精密機器などの微細な変化を感知する装置においては、少なからずこの振動が影響を及ぼします。機械などの性能試験を外部の影響が少ない無響室や半無響室で行うのはこのためです。
ご相談のあったメーカー様は、別の機械でも受注実績のあったお客様で、その際の防音性能を評価頂き再度のご依頼となりました。
電子解析装置用防音ボックスの仕様
- パネルには低音域にも有効な「一人静タイプL」使用
- W1m×D2m×H2m程のサイズ
- 全側面がビスで取付け&取外し可能な嵌め込みパネルの形状
- 幅900mm高さ1850mmの大型扉、500mm×700mmの小扉2箇所
- 内部確認用の覗き窓
全ての側面が取外し可能な嵌め込みパネルとなっている点は変わりませんが、1辺が人が通れる程の大型扉となっている点が異なります。これにより内部へのアクセスが容易になる他、ボックス設置後の機材の出し入れへの対応も比較的手間をかけずに可能となりました。また、以前製作した時と比較すると、表面を白塗装の板で、天面を黒塗装で統一することで意匠性を改良しております。
外観上パーツが多い印象を受けるため、組立については一見複雑に見えますが、分解すると側面パネル6枚+天井パネル3枚+固定フレーム10本とビスで成り立っており、比較手時間をかけずに設置が可能です。社内仮組検査の際は2人で丁寧に行って50分程で組上げができました。
騒音の低減効果についてですが、以前の同形状のボックスで実験を行った際は、外部騒音約80dBの音が内部で55dB程度まで軽減するという結果が得られました(※周波数帯や測定状況によって低減値は変わります)。今回は以前よりも扉の箇所が増えた分、若干の防音効果の低減がある可能性もありますが、20dB程度の低減効果が期待できる見込みです。
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