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株式会社静科

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    2024-05-15

    固体伝搬音の対策~一人静 防振ゴムで振動を抑制

    こんにちは、製造部岩崎です。

    最近は比較的爽やかな気温で、過ごしやすい時期です。夏が来る前にエアコンの掃除などを済ませてしまいたいとことろです。梅雨になると億劫になるのが目に見えているので今週末こそ重い腰をあげて動きたいと思います。

    さて、本日の記事では振動抑制型の防音材である「一人静 防振ゴム」についてご紹介したいと思います。

    空気伝搬音と固体伝搬音の違い

    防振ゴムのお話の前に、音の伝搬の種類について簡単におさらいしたいと思います。

    音の伝搬には「空気伝搬音」と「固体伝搬音」があり、騒音対策するにあたり、それぞれ異なる対策方法が求められます。

    空気伝搬音

    空気伝搬音とは、文字通り、空気中を伝わって耳に届く音のことをいいます。一般的に、音源からの距離が離れるほど音のレベルは弱くなり(距離減衰)、壁などの遮蔽物によりある程度遮断することができます。

    対策手段としては、防音カバー、防音壁などで音を遮断するのが効果的です。

    個体伝搬音

    固体伝搬音とは、床や壁、天井などを振動や衝撃が伝わって聞こえる音です。固体は気体や液体よりも密度が高いため、音が伝わりやすい特徴があります。

    対策手段としては、ゴムなどの防振性のある素材によって振動緩和する方法が効果的です。

    一人静 防振ゴムで固体伝搬音を軽減

    上記の特性を踏まえたうえでご紹介したいのが「一人静 防振ゴム」です。

    形状が楕円形になっており、効率よく振動を低減させることが特徴で、固体伝搬音の対策に有効的です。機械の下などに設置することで振動を低減し、周囲の設備への悪影響を軽減させることができ、設備の長期寿命化にもつながります。

    防振ゴムの上下でサイズが異なり、振動の周波数によって使い分けることができます。中心にある11mmの開口により、ボルトを通して機械に固定するなど、台座からのずれ防止対策が可能です。

    使用例1. 防音ボックスと床面の疑似的な縁切り目的で使用

    防振ゴムの使用例としては、防音カバーや防音ボックスを地面から縁切りさせたい時に使う方法があげられます。

    例えば、異音検査を行うための防音ボックスは、外部の音の影響を極力減らす目的で使用されます。ただし、ボックスをそのまま床に置いて使用すると、周囲の振動が箱に伝わり内部へ音が伝搬してしまう可能性があります。

    そこで、ボックスの下と床の間に防振ゴムを設けることで疑似的にボックスを床面の縁切りが可能となり、内部に侵入すること振動音を軽減することができます。

    使用例2. 騒音源を防振ゴムにのせることで2重の防音対策

    防音ボックスは主に空気伝搬音を防ぐために用いますが、機械の振動(固体伝搬音)自体を抑制するものではありません。

    そこで、防音ボックスで機械を囲ったうえでさらに防振ゴムに乗せる事で、空気伝搬音と固体伝搬音の2重の防音対策が可能です。モーターなど振動を伴う機械を対策する際に考えられる手段です。

    機械の形状や種類により、直接乗せられる場合と乗せられない場合がありますが、ゴム脚との間に板材などを挟むことで対応範囲を広くすることができます。

    吸音、遮音、制振の組み合わせで効果的な騒音対策を

    ここまでのお話で、音の性質によって異なる対策方法を考えることが、効果的な騒音対策にとって重要である、ということをお伝えできたかと思います。

    また、複数の音の性質を持つ騒音源には複数の対策方法(「吸音」「遮音」「制振」)を組み合わせることが非常に有効であると言えます。
    例. 防音カバー(吸音、遮音)+制振ゴム(制振)、防音壁(吸音、遮音)+制振シート(制振)など

    防音材の組み合わせに関しましては、過去記事「防音ボックスと制振材の組み合わせで振動機の防音対策」でも記述しておりますので、気になる方は合わせてご覧頂くようお願いいたします。