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株式会社静科

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    既存の防音ブースの上から遮音シートを貼り付ける実験~30分の作業で遮音性能が20dB→25dBに向上

    こんにちは、製造部岩崎です。

    先日友人の紹介で、入場料を支払うことで日本酒が原価で飲める居酒屋に行ってきました。お酒は100ml単位での提供で1合よりも少ない量ではありますが、その分色々な種類のお酒が飲めるので、日本酒好きにはおすすめのシステムです。獺祭が320円で飲めるのはびっくりですし、初回限定ではあったものの而今も380円だったので非常に嬉しい誤算でした。また近いうちに利用したいと思います。

    さて、今回の記事では、既存の防音ブースの周囲に、後から遮音シートを貼り付ける実験をした時の様子をお伝えしたいと思います。

    実験には1m×1m×2mの5面体防音ブースを使用

    今回の実験は、既存の組みあがった状態の防音室の遮音性能を、後から簡易的に手を加えるで高めることができないかという発想の基行いました。

    防音ブースは縦×横×高さが1m×1m×2mで、騒音の低減値はおよそ20dBですが、今回はこの低減値を3dB程度上げることが目標です。

    3dBと聞くと一件物足りないように感じますが、1dB下げることの大変さは防音業界に携わっている方には通じるかと思います。実際の防音対策事例を考えたときに、どうしても動かせない機械があったり、対策はしてみたものの、想定よりも少し数値が及ばないことがあるなど、最後の一押しに活用できる可能性があります。

    遮音シートを両面テープにて貼り付けて実験

    使用したのは一般的な遮音シート(厚さ3mm)で、防音ブース(5面体)の周囲全面に1枚ずつ取付を行いました。遮音シートは音の低減目的で作られているため、それなりの重量があります。取付けには強力な両面テープを使用して約30分ほどで完了しました。

    貼り付ける前と貼り付けた後、で同じ騒音源(90dB程度のピンクノイズ)を用い、防音ブース内で音を出し、ブース外で測定&比較実験を行いました。

    実験結果と今後の課題

    結論から述べますと、実験前に20dBだった遮音性能が、遮音シートを貼り付けることで5dB増加して25dBに上げることができました。たった30分の加工作業で、5dBの低減増加が得られたので、非常にコストパフォーマンスの良い方法ではないかと思います。

    懸念点としては、遮音シートの外観が真っ黒なため、見た目の問題が残ることです。こちらについてはファブリックシートなどを遮音シートの上から貼ることで解決ができそうですが、その分コストと作業時間は増えてしまいます。また、今回は比較的シンプルな5面体だったため、取付が容易に行えましたが、これが分割や開口が増える防音カバーとなると、貼り付ける枚数や加工が増えるので、その点も課題としてはあげられます。

    必ずしも万能な対策方法ではありませんが、「どうしても最後の数dBを下げたい」といったケースでは考慮に値する方法かと思いますので、そういったことが想定される際には、是非ご検討いただけますと幸いです。