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株式会社静科

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    新製品開発における引張強度試験の実施~部材の限界強度性能を数値化

    みなさんこんにちは、製造部の横山です。

    2月になると、あっという間に今年の1月が過ぎたと感じます。半年や年末になると「こんな時期なのか」ともなりますが、社会人になってからは、月日が流れるのが本当に早くなったと実感します。この感覚になるたびに、「今月はこれをしよう、今年はこれをしよう」と目標を考えはするのですが、全然実行出来ていないのが現実です。

    余談はここまでにして、今回は、弊社で行っている新製品開発にて『引張強度試験』を経験することが出来ましたので、自身が感じたことも合わせて、どのような試験なのかお話したいと思います。

    採用を検討している蝶番の強度を調べるために引張強度試験へ

    製品開発の進行中、選定した蝶番を採用するにあたり、蝶番1つあたりの性能はカタログ値で分かるのですが、新製品では複数個使用する予定の為、実際どこまでの荷重に耐えることができるのか不明のため、部材の強度を調べる為に『引張強度試験』を行いました。

    本試験は、部材に張力をかけることで測定される機械的数値を調べることで、引張強度を調べる際に行う試験です。機械的数値の他にも、弾性率やヤング係数等、強度だけでなく、測定をした部材の特性も求めることが可能です。

    試験の流れとしては、測定を行う試験体を測定器に装着し、試験体を上下に一定の速度で引っ張り、部材の抵抗がなくなるまで引っ張り続けます。抵抗がなくなった状態で機械を止め、PC側のソフトウェアにて集計された数値を確認いたします。抵抗がなくなる状態は、部材が破断した状態の時になるので、破断された時の荷重が、試験体の耐久値となります。

    試験結果例

    測定後のデータはエクセルを用いてグラフ化

    今回の試験では、黄銅製蝶番とSUS製蝶番の比較を行いました。長さの異なる製品でしたが、材質でどの程度差が出るのか調べるため試験を行いました。SUSの方が強いだろうと想定していましたが、結果は予想通りでした。黄銅製蝶番の方は耐荷重を超えた為、蝶番が変形し始めたのですが、SUS蝶番では、蝶番の耐荷重を超えて変形したのではなく、取り付けていたSUS製ビスが破断してしまいました。

    黄銅製蝶番試験後
    SUS製蝶番試験後

    『引張強度試験』を行ってみた感想ですが、これまでは、使用する大本の部材の耐久値や性能ばかりに目を向けていましたが、それに付随するビスのような細かい物も、重要な製品の一部ということを実感しました。新製品だけでなく、既存製品で使用している部材を改めて見直し、より良い製品を提供できるように、一層取り組んでいきたいと思います。

    今回は『引張強度試験』についてご紹介させていただきました。防音対策導入にあたり、対策方法にお悩みの場合でも、弊社は、現場状況や騒音対象物に応じてご提案をいたします。また騒音でお困りの場合でも、様々な解決方法のご提案を致しますので、ご気軽にお問い合わせください。