超音波洗浄機用小型防音ボックス~『一人静タイプL薄型』使用で内部スペースを確保しつつ約20dBの騒音を低減
こんにちは、製造部岩崎です。
今年も残すところ僅かになりました。最近は寒さもひとしおですが、鍋が美味しい季節でもあります。私自身料理があまり得意ではないので、適当に食材を入れるだけで作れ、栄養も取れて美味しい鍋料理は非常に重宝します。懸念点としてはついつい食べ過ぎてしまうことなので、今冬はほどほどにしておきたいと思います。
本日の記事では「超音波洗浄機用小型防音ボックス」についてお話したいと思います。
超音波洗浄機の騒音
超音波洗浄とは、水や洗剤だけでは落ちない強い汚れに対して超音波による振動という物理的刺激により洗浄を行う方法です。 超音波振動(物理的作用)×水×洗剤(化学的作用)と、3つの力で汚れに立ち向かうため、非常に強力な洗浄方法となります。
一般的な超音波洗浄機は、電力を高周波電気信号に変換する「発振器」 、電気信号を超音波振動に変える「振動子」+ 媒質としての「洗浄液(水や洗浄剤)」の3つから成り立っています。超音波洗浄機は振動を利用する機械ですので、当然その振動ににともなって音が発生します。機械の種類や洗うものによっても変わりますが、比較的高音で人間が不快に感じる音が発生することが多いです。
今回のご相談はこの超音波洗浄機の発する90dB超の騒音を70dB以下に下げられないか、というご要望でした。
一人静タイプL(薄型)仕様の防音ボックスにて騒音軽減
防音ボックスの仕様は以下のようになります。
- 外寸500mm角くらいの6面体防音ボックス
- 天面と背面が両方とも開く片扉方式
- 密閉度を落とさず配線通す機構
今回防音ボックスを製作するにあたって使用したのが低周波用防音パネル「一人静タイプL」の厚みを7cmから4cmほどに小さくした「一人静タイプL薄型」パネルです。タイプL同様、内部に石膏ボードを挟んだ構造で遮音性に優れる点と、タイプLと比較して3cm薄いので内部のスペースを確保するのに有効です。
天板の開閉には「トルクヒンジ」と呼ばれる強さを変更できる蝶番を採用しており、用途により簡単に調節が可能です。
社内実験を行った結果、中~高音域の音を19~21dB程度低減することができました。これは体感で言うと約4分の1くらいになった感覚となり、耳障りな高音がかなり緩和されることとなりました。タイプL薄型はタイプLと比較すると吸音層が薄いので、より低い音を対策するときは後者の方が有利です。しかし、今回のように比較的高い音を対策するには内寸の確保しやすさなど総合的に判断し、タイプL薄型をおすすめいたします。