無響室に匹敵する性能~二重構造採用の簡易無響ボックス
こんにちは製造部岩崎です。
先日通勤で使用していた自転車がついに壊れてしまいました。ここ数年もガタがきていたため修理をしながら、騙し騙し乗っていましたが、ギアチェンジのレバーの故障と後輪のパンクが同時に発生し、これはいよいよ厳しいか、ということで新しい自転車の購入に踏み切りました。今までは、黒い自転車だったので、汚れもあまり気になりませんでしたが、新車は白が基調なのでこまめに洗車していかなければなと少し気負いしております。
さて、本日の記事では通常の防音ボックスより高性能な『二重構造の簡易無響防音ボックス』についてご紹介したいと思います。
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二重構造の簡易無響防音ボックス
こちらの二重構造の簡易無響ボックスは、振動音と空気伝搬音の2種類を同時に対応することを目的としております。
ボックス間の振動を伝えない吊り構造になっているのが注目ポイントです。二重構造のうちの一重目のボックスが宙に吊られる形で浮いており、外部からの振動音を抑制します。
また、二重構造にすることで振動だけでなく、空気伝搬音についても同時に低減することができます。ボックスを内外で分けることでその間には空気層が生まれます。防音効果を高めるために有効なのがこの空気層です。二つの防音材を組み合わせて防音対策を行う場合、単純に防音材を重ねるよりも間に空気層を設けた方がより高い遮音性能を得ることができます。
無響室に匹敵する性能に注目
二重構造の簡易無響ボックスですが、特に暗騒音の値の低さは目を見張るものがあります。
社内実験になりますが、ボックス内部に測定器を設置して1分間の測定を行ったところ、16~17dBという数値を得ることが出来ました。これは一般的な完全無響室の性能(15dB以下)には及ばないものの、それに匹敵する値で、小型ボックスとして簡易的に使用する分には十分な性能であると言えます。
また、遮音性能実験においても直近1mに音源を設置した際、ボックス内部では40dB~50dB程度低減した測定結果が出ており、こちらの性能についても非常に高いものとなっております。
外部からの音の影響を受けにくいことを活かし、モーターやコンプレッサーのような小型の機械や、電子部品等の精密機器の性能、視聴、動作音試験に利用が可能です。
オーダーメイドで仕様変更も可能
製品ページにも記載がある通り、MサイズとLサイズを標準寸法としてご用意しておりますが、お客様のご要望によっては大きさなどの仕様変更も可能となります。例えば、極端な例で言えば性能は落ちてしまいますが2重にせずに1重にするといったことも可能です。
パネルの構造としては『一人静タイプL』と『一人静タイプA』の組み合わせを標準としていますが、放熱性を鑑みて、パネルを『一人静タイプD』に変更することも考えられます。是非ご検討をよろしくお願いいたします。