木材工作機械用防音カバー~低音域の対策に一人静タイプLを選定
こんにちは、製造部岩崎です。
先週末、地元厚木にて年一回の夏の祭典「鮎祭り」がおこなわれました。打ち上げ花火を含め4年ぶりに通常の規模での開催となったそうです。私は別の予定と重なってしまい伺えなかったのですが、コロナが緩和してきたこともあり、SNSの投稿などで見る限りかなりの人で賑わっていました。鮎祭りの花火大会といえば神奈川県内でも3本指に入るほどの規模と言われておりますので、来年は近くの河原に立ち寄って花火を楽しみたいと思います。
さて、本日の記事では「木材加工機械用防音カバー」のご紹介をしたいと思います
低音向け吸遮音パネル~一人静タイプLに対策しずらい周波数帯にも対応
工場内の木材を加工する機械の騒音を対策したいということでご相談がありました。
木工機械にも色々な騒音がありますが、今回は特にモーター周りの唸るような低音が気になるということで、低周波向けパネル「一人静タイプL」にて機械を囲う対策を行いました。
一般的に低い音は対策がしずらいことで知られていますが、一人静タイプLは従来よりも吸音層の厚みを増すことで吸音性能を、パネル内部に石膏ボードを内蔵することによって遮音特性を高めた製品で、一般的によく使われる吸音材(グラスウールなど)では対策が難しい100Hz周辺の低音にも適した吸遮音パネルとなっております。
木材加工機械用防音カバーの仕様
- パネルには低音向け防音パネル「一人静タイプL」を使用
- ローラーでの木材投入を阻害しない仕様
- 内部確認用の窓
- 機械へのアクセス用に防音扉
- 操作盤はカバー外部に設置
上記の写真が実際の防音カバーになります。最大限の防音効果を出しつつ、なるべく機械作業を阻害しない構造を意識して製作いたしました。
パネル選定による低音域への配慮だけでなく、ローラー投入口をなるべく隙間が出ないように細長い形状にしたり、カバー設置後に開口部を板材や遮音シートで覆うことで可能な限り音漏れへの対策を行っております。
木材加工機械以外でも、工作機械には既存で簡易的なカバーがついているものもありますが、安全対策についているものが多く、騒音についてはそこまでの効果を発揮していないものが多く見受けられます。もちろんカバー内部に吸音材を貼り付けることでも簡単な対策は可能ですが、防音専用パネルで囲うことで大きな変化をもたらすことができます。
本案件でも、対策が難しい低音ということで多少の回り込み音が発生しましたが、上記のように追加での音漏れ対策を施したことで満足のいく性能を得ることができました。細かい数値データは非公開としておりますが、数値を体感レベルで表すと半減~1/3程度の騒音レベルになりました。
昨今の騒音規制の強化に伴い、工作機械に関する騒音対策の問い合わせは年々増えている状況です。作業環境改善は簡単のように見えて一筋縄ではいかないこともあるので、お早めにご相談頂ければ幸いです。