食品工場内真空ポンプの騒音対策~放熱性パネルを採用したキャスター付き防音カバーで12dB低減
こんにちは、製造部岩崎です。
昨年くらいから、麻雀のプロリーグであるMリーグに興味を持ちよく見るようになりました。現在はシーズンオフで試合がないのですが、個性的な選手はもちろんのこと、対戦をドラマチックに盛り上げる実況・解説者のやり取りが面白く、早く新シーズンがこないか待ち遠しいです。
さて、本日の記事では、過去に食品工場様向けに製作納品させて頂いた「真空ポンプ用防音カバー」をご紹介したいと思います。
食品工場内の真空ポンプの騒音対策
こちらは過去の事例になりますが、果物を加工する食品工場様より、真空ポンプの音がとても響くとのことで、騒音対策のご依頼を受けました。真空ポンプはモーター、コンプレッサー、ブロワー、粉砕機などと並び、工場の中でも比較的騒音値の高い機械で、工場内の騒音規制値を越えたり、近隣の方からクレームが入ったりと、問題となるケースが多いです。
また、今回は特殊なケースでしたが、工場の中が多湿(湿気が高い状態)で音が反響しやすく、通常よりも騒音値が高く出ている様子です。
※湿気と音の関係については、下記過去記事をご参照ください。
関連記事:水分・湿気による吸音材への悪影響~『一人静タイプZ』がこの問題を解決
このような状況下での騒音対策には、鉄板のような『遮音しかしない』素材ではなく、しっかりと『吸音をする防音材』を選定するのが重要です。
真空ポンプ用のキャスター付き防音カバー
真空ポンプの騒音対策として、キャスター付きの防音カバーを製作いたしました。仕様は以下のようになります。
防音カバーの仕様
- 天板付き、3面体防音カバー
- パネルには放熱性のある「一人静タイプD」を選定
- 天板に排熱用の切り欠き
- キャスター付きで組んだままの移動が可能
工場内が大げさに言うとプールのような反響しやすい空間でしたので、吸音性能の高い「一人静シリーズ」の中で「一人静タイプD」をパネルとして選定致しました。タイプDはアルミハニカムを採用して熱を逃がす構造を持っているため、今回の真空ポンプのような、排熱性の高い機械を対策するのに適しています。
また、防音カバーの設置はかなり簡単で、プラスドライバーとビスを使って2人で5~10分程度で完成させることができます。
防音対策後は騒音レベルが約10~12dB低減
防音効果としては、周波数帯にもよりますが約10~12dBの低減となりました。完全密閉ではないため、防音ボックスよりは多少効果が劣るものの、吸音性能が高いので回り込み音が低減でき、設置の簡単さやキャスターによる取り回しの良さでは、こちらに分があります。
また、上述のように、対策方法として防音ボックスを用いることで、より高い防音性を出すことも可能です。その場合は、吸排気のためのファンを付けるなど、熱籠り対策には更に注力する必要があります。
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