Loading...

株式会社静科

ARTICLE

記事詳細

    冷却装置(チラー)の騒音対策~状況に応じて分割可能な4面体の防音カバーを製作

    こんにちは、製造部岩崎です。

    先日、東京ビッグサイトで開催された「NEW環境展」に、私も説明員として参加させて頂きました。コロナ規制が緩和されていることもありますが、暇な時間はほぼなく、おかげさまで大盛況の展示会となりました。

    環境展ということもあり、粉砕機などの騒音を発する『中型~大型機械』に関するお悩みをお持ちの方が多く見受けられました。次回は7月に大阪ATCホールにて開催される「第8回 関西放送機器展」という音響系の展示会へ出展する予定となっています。ご都合がよろしければ是非ご来展ください。

    関連サイト:【2023/7/12~13】第8回 関西放送機器展(公式サイト)

    本日の記事では、過去に納品させて頂いた「冷却装置用の移動式防音カバー」についてご紹介したいと思います。

    放熱性防音パネルで冷却機(チラー)の騒音対策

    冷却装置の説明については、下記過去記事にて簡単に記載しております。

    過去記事:チラー(冷却水循環装置)用防音ボックス~熱対策できる防音パネル「一人静タイプD」

    一般的に、水を循環させて目的の試料または装置を冷却し温度管理をする装置を総じてチラーと呼びます。チラーは対象物を冷却するという構造上、外部への熱の放出が発生しやすい機械になります。したがって、防音対策する際は熱籠りへの対策が必用となります。

    今回は、パネルに放熱性に優れた「一人静タイプD」を選定し、全てを囲うのではなく、天井を開放とすることで機械の熱対策をとっております。

    キャスター付きで状況に応じて変形可能な防音カバー

    防音カバーの仕様は以下のようになっております。

    • パネルに「一人静タイプD」を使用
    • パネルを分解してキャスター移動させることで臨機応変な使い方が可能
    • 覗き用窓と点検用片扉を1箇所ずつ設置
    • 熱対策で天面は開放

    熱対策のために天面が開口になってはいるものの、パネルの吸音性能が高いため、上方よりの回り込み音もかなり低減されます。そこまで放熱の心配のない機械であれば天面まで囲い、それでも熱が気になるようであれば、排気用のファンを取付ける対応も可能です。

    また、こちらのカバーは普段は4面体で機械を囲うことを想定していますが、2辺のビスを取り外すことでL字のパーティションとして利用することもできます。騒音対象が他にもあり、状況に応じて使い分けがしたいという要望に応えた構造となっております。

    2辺のビスを取り外すことでL字のパーティションとして活用

    防音効果については、他の完全密閉の防音ボックスと比べると、天面が開放の分多少見劣りしますが、それでも社内測定にて、10dB程度の低減効果が得られました。

    通常防音ボックスは据え置きにすることが多いため、カバー自体を動かしたいケースは稀かもしれませんが、こういった細かな要望にもお応えできるのが、静科の強みとなっております。「こんな形は難しいかな?」「こんなやり方は厳しいかな?」といったお悩みにも、可能な限りお応えしたいと考えておりますので、お気兼ねなくご相談頂ければ幸いです。