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株式会社静科

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    【不動産管理会社向け】上下階の騒音トラブル対処時の騒音測定の方法

    こんにちは、ソリューション事業部の植木です。今回は、不動産管理会社様、管理組合様からお問い合わせの多い、上下階(足音、騒音等)のトラブル対処方法を記載させていただきます。

    環境計量士による騒音測定サービスを提供

    静科では、環境計量士(騒音、振動)が在籍しております。環境計量士とは経済産業省で認定される国家資格になりますが、法令・条例に基づき、騒音測定を行います。

    関連ページ:音響測定(騒音調査等)

    一口に騒音と申しましても、音楽やTV音等の空気を振動させる騒音や、足音やマッサージ機の稼働音など、建物の躯体を振動させながら聞こえてくる騒音等、発生音・聞こえ方により様々な測定方法があります。ご相談の中でも、下記のマンション等の上下階の騒音トラブルが増えてきております。

    主に「上の階の方の足音が気になる(下記①)」ということや、「下の階の方の音楽が聞こえてきて眠れない(下記②)」等、上下階のトラブルも様々です。どちらも、管理会社様や管理組合様からは、本当に問題となっているような音が発生しているのか?というご相談をいただいておりまして、当社では測定をして報告書を作成した上で、管理組合様が対応する判断材料としていただいております。

    なお、いずれも法令的な基準(マンション上下で階の音に対する明確な規制値)はないため、分析を基に双方の解決、裁判所による仲裁等になります。測定の際には、下記の情報をお願いしております。

    1. 上下階の部屋の平面図
    2. 床・天井の構造図
    3. 相談者の音の聞こえ方

    マンションにおける騒音測定方法2パターン 

    ①上の階の方の足音が気になる場合(床衝撃音測定)

    こちらの測定の場合は、上下階の方にご協力をいただく必要があります。上の階の方の部屋で騒音源を発生させ、下の階に測定器をセットし、発生音の数値を記録します。所要時間は2時間程度になります。騒音源は重量衝撃音(バングマシーン)と軽量衝撃音(タッピングマシーン)の2種類の機器を用い発生をさせます。足音は重量衝撃音に分類されます。

    マンションの場合はL値という室内の床の遮音等級が事前に測定されているケースがありますので、そのデーターと測定したデータを照らし合わせるのと、床の遮音等級を調べることで一般的な目安と照らし合わせることが可能となります。なお、衝撃音を測定する場合は、一般的な騒音レベルの測定器ではなく、衝撃音測定専用のソフトを使用します。また、振動計というものもありますが、足音の場合は使用しません(機械振動等には使用します)。

    ②下の階(上の階)の音楽が気になる場合(騒音測定)

    こちらの測定では、音が気になる部屋に測定器をセットし、記録を致します。測定器の設置は複数個所対応可能です。測定時間は1~24時間まで、深夜帯まで記録が可能です。例えば、「深夜の不特定に音が発生している」という場合でも、測定器をセットしていることで自動的に記録されます。

    測定器だけですと対象音以外にも記録してしまう可能性があるため、場合によってはレコーダーもセットし、測定と照らし合わせながら調査をしていきます(レコーダーは5時間まで、また45db以下は収録できません)。測定した音を分析し、建築基準の目安と照らし合わせていきます。発生音が不定期で、2~3日の測定が必要な場合は、都度記録媒体を入れ替えながら記録をしていきます。

    集合住宅になりますと、様々な生活様式のため、双方の理解がないと中々問題解決に至らないケースがあります。騒音測定は一方を正しい、と決めつけるわけではなく中立的な立場で測定を行い分析を致します。体感上の聞こえる・聞こえないを数値上で表し基準や目安と照らし合わせることで、管理会社様、管理組合様の判断材料にしていただきたいと思います。

    ご相談は、「騒音相談WEBルーツ」よりお願いを致します。まずは、メールにてご相談内容を確認していき、お見積り後、測定前の現場調査→測定→報告書(測定後約1週間程度)の流れとなります。