音楽向け吸音製品の試作開発~ベーストラップで低音の吸音問題を解決
こんにちは、製造部岩崎です。
先週は珍しく関東各地で雪が降りましたね。弊社工場のある厚木、海老名は神奈川でも比較的温暖で雪があまり降らないのですが、今回はこちらでも少し積もりました。雪国に住んでいる方は飽きるほど見ているかと思いますが、ここではたまにしかお見えにかかれないので少々気分が高揚しました。
さて、本日の記事では現在販売に向け開発中の、低音吸音素材「ベーストラップ」についてご紹介したいと思います。
ベーストラップとは
「ベーストラップ」はオーディオや録音環境を整える際に、主に低音を吸音する目的で使われるパネルです。
中高音域と比較して低音は回折しやすい(障害物を回り込みやすい)という特性を持ち、オーディオや録音環境作りにおいても、スピーカー裏のように部屋のコーナー部に溜まっていくなど、対策が難しい音域です。低音の反射問題は、本来効かせたい中高音域を過剰にマスキングしてしまうなど、悪影響を及ぼします。
そこで、通常の吸音材では難しい低音に対応できるベーストラップを、部屋の角に設置することで、低い音のモヤっとした感じを明瞭にすることができます。安価なスポンジ材やグラスウールでも、中高音域には多少の効果はありますが、低音吸収に優れた素材を使うことでよりクリアな音を実現します。
ベーストラップ試作開発中!
昨年のInterBEEにて、開発中のベーストラップ試作品を展示致しました。おかげさまで様々なご意見を頂くことができ、現在はその声を元に改良している最中です。
形状は部屋のコーナーに設置することを想定した三角柱型で、サイズ感は高さ500mm/1000mm、幅は直角方向が400mm前後となっております。カラーはマット色の黒フレームに表面ブラック/シルバーで考えていますが、将来的にはカラー塗装の可能性も視野に入れています。
500mmタイプは重さ3.5~4kg前後で手軽に移動が可能なのが利点で、1000mmタイプは広範囲でしっかりと吸音したい人向けに有用です。
防音パネル「一人静」を作る中で培った吸音技術を活かし、静科独自の低音吸音材として、ベーストラップ開発への応用ができればと思っております。本年の発売を目指しておりますので、完成まで今しばらくお待ち頂ければ幸いです。