高熱金属用の冷却送風機の騒音対策~防音カバー+パーティションで11dB低減
こんにちは、製造部岩崎です。
ワールドカップも大詰めとなり残り4チームとなりました。日本は残念ながら今回もベスト16止まりとなりましたが、強豪ドイツやスペインを破るなど大いに見せ場は作ってくれたと思います。準決勝もいよいよ始まるということで大方の予想では、前大会チャンピオンのフランスが本命視されていますが、個人的には、日本を破ったクロアチアかメッシのいる、アルゼンチンに優勝してほしいと思っています。
さて、本日の記事では「冷却用送風機」の防音事例をご紹介いたします。
事務所まで聞こえる送風機騒音
先日、高熱金属を冷却する送風機の騒音対策について、お客様よりご依頼いただきました。今回、問題となっていたのが、熱された金属の冷却を行う送風機が発する音が、事務所まで響いてしまうことでした。送風機(ブロワ)は、圧縮した空気を送るための機械で、冷却以外にも集じん、研磨、紙などの吸引、貯水場や浄水場でのエアレーションなど、様々な用途に使用される工場内でも比較的メジャーな機械になります。
送風機はモーター部分の駆動音、エアーの流体音など複合的な音を発するのが特徴です。空気伝搬音を遮断することで対策が可能ですが、熱籠りや空気の循環を考えると完全に囲うことが難しい機械であると言えます。
防音カバー+防音パーティションで対策
本案件でも、送風機の設置場所に空気の流れを作る必要があったため、完全密閉は難しい状況でした。
そこで防音カバーと防音パーティションを2つ組み合わせることで対策を行いました。機械本体の周りには3面体の防音カバーを設置し、そこから漏れる音を防音パーティションで軽減するイメージです。
機械の設置場所が反射しやすい鉄扉の付近にあるため、比較的反響しやすい環境であることも考慮して、遮音だけでなく吸音性に優れる「一人静タイプA」を使用パネルに選定いたしました。
「一人静タイプA」は耳を近づけると、そこに吸い込まれるような感じがしますが、これはパネルの吸音効果が優れている証拠です。
防音効果について~社内実験で11db低減
社内実験になりますが、騒音源に防音カバーとパーティションを設置した状態で、83dBの音を流したところ、対策後は72dBまで低減しました。回り込み音の影響ありで11dB低減しており、体感でも半分くらいになった感じることができました。これに距離減衰なども考慮すれば、60dB前後まで音は減衰していくと思われます。
更に効果を高めるために3面体ではなくもう1面塞いだ4面体にする方法もありますが、その場合は開口やファンを設けるなどの熱籠り+空気の循環対策が必用になってきます。
工場内でも音が大きい作業場と静かな事務所が隣接する構造は、意外と多いと思いますので、騒音でお困りの方は是非お問い合わせ頂ければと思います。