発電機の騒音対策~反響音と回り込み音を低減する4面体の防音カバーを製作
こんにちは、製造部Iです。
寒さもひと段落したでしょうか、とはいえまだまだ鍋が美味しい季節です。ただしここのところはコロナの影響もあり、友人と鍋をやる機会が少なくなっており非常に残念に思っています。今年こそは元の生活が戻ってくることを期待して、特効薬の完成を希望に待ちたいと思います。
さて、今回の記事では「発電機用防音カバー」についてご紹介したいと思います。
船舶機械メーカー様向けに発電機を防音するためのカバーを製作
今回は船舶に関する機械類を製造販売しているメーカー様より、発電機の防音対策のご依頼を受けました。発電機の音とそれに付随するモーター音で90dB以上出ており、騒音問題に繋がっていたようです。
発電機を移動させずに壁際以外の面を囲うことで対策したいとのご要望もあったため、4面体の防音カバーを製作して対応する形となりました。
吸音と遮音を同時に行うことで反響音と回り込み音の対策
一般的な遮音材などで騒音源を囲う際には少なからず反射音が発生するため、今回のような片面が開口の4面体では反射した音が漏れ、思ったような防音効果が得られないケースがあります。
その点、こちらの防音カバーのパネルに選定した「一人静シリーズ」は、遮音性能だけではなく吸音性能も高く、より音が反射しにくい構造体になっております。今回のように片面が開いた4面体であってもカバー内部の壁に当たった音が吸音され、音が漏れにくい構造です。
もちろん完全な密閉状態(防音ボックス)で対策することが効果面では最大値を得ることができますが、工場内の配置であったり、内部に入れる機械の取り回し(移動の可否やメンテナンス等)から考えて難しい場合もあるかと思います。このようにどこかの面を開口状態にする必要がある場合でも高い防音効果を発揮できることは一人静を使用する利点の一つでもあります。
その他の仕様や防音効果について
今回の防音カバーにつきまして、その他の仕様は以下のようになります。
- パネルには熱籠り対策として放熱タイプの「一人静タイプD」を使用
- サイズは奥行1m×幅2m×高さ1m程度、中型の発電機+モーターを囲える大きさ
- 発熱を考慮して換気用の吸気排気ファン及び音漏れ防止のファン用サイレンサーを設置
- 設置はプラスドライバーと付属のビスのみで可能
- 解体も簡単で取っ手付きなので天板のみの取り外しも容易
防音効果について、今回は納品のみのご依頼で現場での騒音測定は致しませんでしたが、社内における簡易実験においてはカバーの設置前後で9dB~12dBの低減効果を得ることができました。低減が難しい低い音など、まんべんなく幅広い周波数帯を含めた音にての実験結果ですので、実際の騒音源によっては更なる高い効果が得られる可能性もあります。
発電機やモーター音はかなり大きい音が出るものが多く、対策の問い合わせ数では比較的上位にくるタイプの機械になります。最近では消音を謳っている機械も少しずつ出てきているようですが、設置後に対策を迫られるパターンが多いように思います。どのようなケースでも騒音が少しでも静かになるよう対策方法をご提案致しますので、まずはお気軽にご相談頂ければ幸いです。