精密機器メーカー様向けに電子装置用の防音ボックスを製作
こんにちは、製造部Iです。
いよいよ真冬並の寒さの日が増えて参りました。通勤時に自転車を使用しているのですが、いくら寒いとはいえ走り始めて15分くらいたつと軽く暖まってきます。坂道では汗をかくようなこともあり、適切な服装選びが難しいシーズンで困っています。
さて、本日の記事では先日精密機器メーカー様向けに製作した「電子装置用の防音ボックス」をご紹介致します。
一人静タイプLを使用した中型の防音ボックス
さっそくですが、今回製作を行った防音ボックスの主な仕様についてご紹介したいと思います。
- パネルには低音域にも有効な「一人静タイプL」を使用
- 床なし5面体、大きさは1m×1m×高さ2m程度
- 天板に片扉、側面には観音扉があり、定期的に内部の確認が可能
- 全側面がビスで取り付け&取り外し可能な嵌め込みパネルの形状
今回の騒音源について詳細なことは記載できないのですが、比較的低い音から中音域まで幅広い周波数帯の音が出ているようです。したがって使用パネルには低音域もしっかりと吸音/遮音してくれる一人静タイプLを選定致しました。
※関連リンク:『一人静タイプL』実績記事一覧
タイプLは標準的なサイズのタイプAと比較すると重量がありますが、2人で設置が可能な重さ・大きさになります。パネル同士を専用のフレームとビスで固定していくだけなので、特別な工事なく設置が可能です。今回は事前に簡易的な組立手順書をお送りし、お客様自身で組立を行って頂きました。弊社でも設置や施工は行っておりますが、日程の都合を合わせる必要があったりコストダウンにも繋がるので、場合によって使い分けが可能です。
天板と側面の片扉、観音扉で定期的な装置の操作や比較的細かいメンテナンスに対応可能な他、大きく開ける必要がある場合はボックスの側面ごと外すことも可能です。
また、今回のボックスは普段よりもゴツゴツしていてフレーム部分が多い見た目の特徴ですが、全側面が取り外し可能な嵌め込みパネル仕様となっているためそのような外見となっております。全ての嵌め込みパネルを外した状態は以下の写真のようになります。70mm幅と狭い範囲ではありますが、こちらの枠組みにも上記のタイプLを内部に組み込んでいるため、高い遮音性能を維持したまま枠取りが可能となっています。
防音効果について
今回は正確な周波数分析はしておりませんが、おおよその騒音レベルの変化について知るため、簡易実験を社内にて行いました。ボックス内部で86dBの音を出して外部の直近で測定したところ、64~65dBまで下がり20dB以上の防音効果となりました。周波数帯や騒音源の種類、測定環境によって結果は変わってきますが、体感でも元の音の1/3以下くらいには感じることができました。
お客様の要望によって形状は様々ですが、パネルの防音効果を損なわないような設計・製造を目指す点は変わりありません。何か音のことでお困りのことがございましたら、まずはお気軽にご相談頂ければ幸いです。