電子機器メーカー様の工場内のブロワーユニットを静音化~既存のフレームに防音パネルを設置
こんにちは、製造部のIです。
私事ですが、先日長年使っていたヘッドホンが壊れてしまい、新しいモノの購入を検討しているところです。少し調べると、最近はワイヤレスヘッドホンもだいぶ普及してきているようで、これを機に乗り換えてみようとも思ったのですが、音質を考えるとまだまだ有線に分があるはずなので悩ましいところです。
本日の記事では電子機器メーカー様の工場内に設置した「ブロワー用防音パネル」のご紹介をしたいと思います。
ブロワー騒音
ブロワー(送風機)は圧縮した空気を送るための機械です。ブロワーのサイズや用途は多種多様ですが、主に工場内で冷却や集塵を目的として使われる場合が多いです。ブロワー騒音は、大きく分類するとモーター音と送風音に分けられますが、どちらの場合でも防音パネルや防音ボックスで機械を囲うことで音の低減が可能です。
懸念点としては、ブロワーという機械の性質上、本体から出る配線や配管が多くなりがちな点が挙げられます。また、ブロワーは機械から熱を発する場合があるので、箱型に囲う際には開口部をどう作るかや放熱性に問題はないかなど注意が必要です。
既存のフレームを活かしてパネルを取り付け
上記の写真が今回ご依頼頂いた電子機器メーカー様の工場内に設置した防音パネルです。2台のブロワーがミスミ製のアルミフレームの枠組みの中で2層構造となっており、その周囲を防音パネルで囲う形になっております。
主な仕様は以下のようになります。
- パネルには放熱性能の高い防音パネル「一人静タイプD」を使用
- ブロワユニットの前後左右+天板の5面を囲う形
- パネルに貫通穴を開け、既存のミスミユニットに専用のインサートを埋め込みパネルを取り付け
- 操作盤や配管を通すための開口部を数ヶ所に適用
施工は2人で行い、約2時間での完成となりました。ミスミ製のアルミフレームに専用のインサートを差し込み、パネルに穴あけしている箇所に位置を調整しながらビス留めする作業なので、特別な工事も必要ありません。ドライバー1本のみで設置が可能です。
今回は施工と同時に騒音測定もやらせて頂きました。非稼働時(暗騒音) と稼働時で比較を行ったところ、10dBの低減となりました。対策後の低減値はほぼ暗騒音と同等でしたので、周囲がもっと静かになれば更に効果を実感できたかと思います。
通常、防音ボックスを制作する際は専用のフレーム同士で繋ぐことが多いですが、今回のように既存の躯体を活かしたパネル設置も可能です。こんな場所にパネルを設置したいなど、様々なご要望にも都度対策方法をご提案させていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。