室外機用のスライド式遮音壁を例に施工までの流れをおさらい
こんにちは製造部Iです。
先週末、親善試合ではあるものの、久しぶりにサッカーの代表選がありました。前回の試合はなんと去年の末で、約11ヵ月ぶりの試合だったそうです。試合内容は若干物足りなさを感じさせるところもありましたが、再び代表戦が動き出したこと自体がとてもポジティブなニュースです。大きな大会となるといつ開催できるか不透明な部分もありますが、今後の日本代表の活躍に期待していきたいと思います。
さて、今回の記事では騒音対策のご相談から施工までの流れについて「スライド式の室外機用遮音壁」の案件を例にご紹介したいと思います。
工場敷地内の室外機の防音対策
とある食品メーカー様の工場敷地内の室外機の騒音対策として、スライド取り外し式の遮音壁の施工を行いました。
防音対策のご相談から実際の施工までの流れ
1.騒音対策のご相談、ヒアリング
まずは騒音源の種類、対策の目的、現場周辺の環境、何dBまで下げたいか、おおまかなご予算等、必要な情報をヒアリングシートを元に詳しく伺います。
詳細は伏せますが、今回の例で言いますと下記のようなイメージです。
■ご相談内容
- 騒音源の種類:室外機
- 対策の目的:近隣住民への騒音対策
- 現場周辺の環境:屋外、敷地境界まで○○m
- 目標低減値:70dB→60dB
- ご予算:〇〇円
- etc.
2.現地調査、騒音測定
その後、機械の採寸や現場状況の確認のため実際に現地に伺い、設置・施工に必要な情報の調査を行います。
また、必要に応じて騒音測定も行います。対策に使用する防音パネルの種類のチェックと、どのくらい音が下がったのか簡易的な報告書作成のための騒音測定になります。
3. 図面の作成、対策方法のご提案
現地調査時の採寸などの情報よりパネルの種類や、どのようにパネルを設置するのか、詳細なサイズ感などを決めます。
その後、CAD図面やポンチ絵を元に対策内容のご提案をさせて頂きます。お客様によっては図面を見てから変更したい点が出てきたりもするので、何度か図面変更などのやりとりをする場合もあります。
承認して頂いた段階で4.のパネル制作・加工に入ります。
4. パネル制作、加工
パネルの制作や加工方法については過去記事でもたくさん紹介しているの割愛したいと思います。
※過去記事はこちらから
今回の案件では、遮音壁を何枚かに分けてスライド式で取外せるようにしたいとのご希望でしたので、パネルのサイズ感やキャスターの選定などの調整を念入りに行いました。
5. 製品出荷、搬入
サイズ感にもよりますが、基本的にはパレット積みで梱包・出荷を行います。
※なお、ボックス型のパネルを出荷する場合は一度バラしてから納品し、現地で組立てを行うことが多いです
今回は施工を現地にて行うため、時間指定が可能なチャーター便を利用致しました。
6. 設置、施工
簡単な形状であればお客様自身で設置して頂くことも可能です。さらにご予算を抑えるため、パネルだけ購入して加工も自社でやる、というお客様もいらっしゃいます。
今回の案件は鋼材を使用しての設置で、施工まで弊社に依頼を頂きました。
まず鋼材をアンカー止めし、その中に遮音パネルをスライドさせながら差し込んでいきます。このままですと強度が十分では無いため、専用の抑えを使い、パネルを固定しました。固定抑えを外すと遮音パネルがキャスターで横移動するため、お客様の方での取り外しが簡単に行えるという仕様です。
7.騒音測定・報告
防音施工後に騒音レベルを測定し、施工前とどう変化したのか、簡単な報告書を制作することができます。
※報告書については過去記事「騒音測定から騒音対策まで~室外機対策の報告書の一例」をご参照下さい
今回の案件では67dBの音が55dBまで下がりました。一般的に、10dB音が下がると体感では半減したと感じると言われておりますので、十分な防音効果が得られました。
以上、簡単にですが、騒音対策のご相談から施工までの流れについて実例を元にご紹介致しました。
今回は室外機を例にしましたが、他にもコンプレッサーや粉砕機など、色々な騒音のお悩みでご相談を受けることが多くなっています。騒音はなんとかしたいが何から始めたらいいか分からない、といった場合も大丈夫ですので、是非静科にご相談下さい。