ターボ型(非容積式)ポンプの騒音対策~防音ボックスにより約17dB低減
こんにちは、製造部Iです。
お盆休みの方も多いでしょうが、今年はコロナの影響もあり、実家に帰省しない人が多いみたいです。自分のことも怖いですが、家族にうつしてしまうのではないか、という心配がそうさせているのだと思います。
さて、本日の記事では「ポンプ用防音ボックス」をご紹介致します。
ポンプとは
様々な用途で使われるポンプですが、一言で表すと、液体を移送・汲み上げ・攪拌する機械のことです。ポンプは入口まで液体を吸い込み、次に中に入り込んだ液体を目的の場所まで移送する、という二つの重要な能力を持っています。
ポンプは、その原理と構造により大きく3つの種類に分類することができます。
ポンプの種類と特徴
ターボ型(非容積式)ポンプ
羽根車を回して液体にエネルギーを与えるポンプです。特徴としては、高速回転のため比較的連続して流れますが、吸い上げ・押し上げる力は比較的低いことが挙げられます。そのため、負荷によって流量が大きく変動するため、数字的な分析を行うことが少し難しいと言えます。
容積式ポンプ
液体に圧力を加えてエネルギーを付与する仕組みを持っているポンプの総称です。ターボ型を比較すると、吸い上げ・押し上げる力が比較的高いものが多いと言え、流量の変動も少ないです。食品や薬品など数多くの業界で使われているポンプです。
特殊型ポンプ
パイプに流体を吹き込み液体を吸い上げ排出する「噴射ポンプ」や、パイプ内に気体を吹き込んで気泡の浮上により液体をくみ上げる「気泡ポンプ」など、用途により様々な種類があります。
ターボ型ポンプ用防音ボックス
ポンプ騒音の原因の一つが空気伝搬音です。ポンプ本体内の圧力変化が外箱や配管を透過して表面から空気伝搬音が放射されます。そこで、防音カバーによって固体表面を囲い込むことで騒音を低減することができます。
上記の写真はターボ型ポンプ用に製作した防音ボックスになります。パネルには「一人静タイプA」を使用しているため、低い音から高い音まで幅広い帯域での吸音と遮音が実現可能です。ボックスの組立はドライバー一本あれば誰でも簡単にできるようキット化しておりますので、初めての方でも安心して設置することができます。
また、配管を通しやすいよう円形の開口が分割式になっております。挟み込むようにして設置できるので、既存の配管などを動かさずとも囲うことができ、余計な手間を取る事もありません。
防音効果についてですが、社内測定では87dBの音が70dBまで、およそ17dBの低減値が得られました。これは配管用の穴を塞がずに測定した値なので、実際に設置して穴が塞がった際には更に大きな低減値が得られることが予想できます。
個人差もありますが、音が10dB下がると体感で半分に感じると言われています。今回の測定では約20dB音が下がったので、体感では対策前のおよそ1/4になった、と感じることができます。
防音は騒音源ごとにサイズや仕様も変わりますが、静科ではその時々の最適な防音対策をご提案することができます。過去の記事にてモーター、コンプレッサー、発電機、室外機、チラー、粉砕機など、あやゆる機械騒音の防音対策事例を紹介しておりますので、併せてご覧になってみてください。
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