防音ボックスの窓加工(前編)~加工方法と実際の施工例を3つご紹介
こんにちは、製造部Iです。
漫画のキャラクターなどで、二人称として「貴様」という言葉が使われることがあります。傲慢なタイプの敵キャラや、プライドの高いライバル役が相手を見下したり罵る時に使われるこの「貴様」と言う言葉。改めて分解してみてみると「貴い」「様」と、相手のことをものすごく尊敬しているように感じます。
疑問に思い少し調べてみたところ、言葉が使われ始めた当初(室町時代)は文字通り相手への敬意を表すものだったそうです。しかし、月日を経て江戸になるころには庶民にも言葉が広がり、一般化したことで次第に目下の人を呼ぶ際の二人称に変わっていったそうな。「お前(御前)」という言葉も同様の変化をしていったようですが、日本語というのは本当に不思議なものですね。
さて、前置きが長くなりましたが、本日の記事では防音ボックスの加工方法の一つである「窓」についてお話したいと思います。
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防音ボックスの「窓」加工
防音ボックスは通常、機械などの騒音源の周囲を囲うことで防音対策を行うものです。使い方や状況にもよりますが、基本的には箱の中身が外から見えない仕様がほとんどです。
箱の中身を外から確認する方法として、開閉可能な扉を付ける方法が挙げられます。しかし、「チラッとメーターを確認したい」「少しだけ機械の稼働状況を見たい」といった時にいちいち扉を開け閉めするのは手間だ、と感じる人もいるかもしれません。
中を確認する他の方法として、そもそもボックスの片面にパネルを使わない(片面開放)とすることもできますが、もちろん騒音はその開放部分から漏れてしまいます。開け閉めの手間は面倒ですが、音漏れしてしまっては防音ボックスの意味がありませんね。
そこで有効なのがボックスの壁面に透明な「窓」を取り付ける方法です。
透明な窓を取り付けることで、ボックスに触れることなく中を確認することができます。防音性の面では、壁が「吸音性、遮音性能ともに高い防音パネル」から「遮音性能は多少あるが吸音性能のない窓」に変わるので多少効果は下がりますが、取り付ける位置や面積を考慮すればそこまで防音性に支障はでません。
窓の加工方法
静科の防音ボックスは「一人静シリーズ」を壁面パネルに使用しております。一人静シリーズはアルミの複合材(不透明)ですので、標準状態ではボックスの中を見ることができませんが、ご希望があればパネルに透明な窓の取付けをすることができます。
窓の取付け方法は以下のようになります。
- 窓を付けたい部分に印をつけ、ジグソーや丸鋸を使って四角く穴を開ける
- パネルの表側の穴部分に専用のフレームをコーキング付けする
- パネルをひっくり返し、窓となる素材を落とし込む
- 裏側にも専用のフレームをコーキング付けし、窓を固定する(フレーム同士で窓を挟み込むイメージ)
ご自分でパネルを加工したいなどの理由により、詳しく加工方法について知りたい場合はお気軽にご相談ください(※パネル単体+専用のフレームといった購入方法も可能です)。
実際に窓がついた防音ボックスの施工例
施工例①:3Dプリンター騒音対策@川崎市~専用防音ボックスにより事務所・打ち合わせスペースの静音化に成功
過去防音ボックスの中の3Dプリンターを確認するために窓の取付けを行いました。画像が少し暗くなってしまっていてみずらいかもしれませんが、実際はもう少しよく見えるそうです。明るさが気になる場合には、ボックス内部にLED電灯をつける加工も可能ですので合せてご検討ください。
施工例②:ドライアイス洗浄機の実演デモを防音~展示会などで簡易ブースが設置可能
こちらでは、展示会での実演ブース用のガラス貼りによる簡易防音ブースをご紹介しております。こちらは写真を見て頂くとはっきりイメージが伝わると思います。人が入れるほどの高さのブースのほぼ全域が可視化できているため、防音効果を発揮しつつもデモンストレーションの役割を果たすことができます。
施工例③:【製品試作開発】エアーやサンディング作業時の機器の騒音を低減できる防音カバー
こちらではエアーやサンディング作業をする際に手元が見れるように窓の加工を行っております。こちらは試作品にはなりますが、お客様のご依頼次第ではこのような変わった形にも対応可能である、という一例としてご紹介させて頂きます。
前編は以上になります。
一口に窓と言ってもガラスやアクリル、ポリカーボネートなど様々な素材がありますでの、後編では窓部分の「素材の選定」についてお話したいと思います。