製粉・製油工場内の振とう機の騒音対策~観音扉式防音ボックスを採用
こんにちは。製造部Iです。
先日寝ていると耳元でプーンという蚊の羽音が鳴り、完全に起こされてしまいました。あの何とも言えない不快な音、皆さんも経験あると思います。蚊の羽音の周波数は350~600Hzと言われており、オスはメスの羽音の周波数を聞き分けることで交尾相手を見つけるそうです。人間の血を吸うのはメスのみ、という豆知識は皆さんご存じかもしれませんが、羽音にこんな意味があるとは知りませんでした。ただ、睡眠中に耳元で鳴らすのは勘弁して頂きたい!
さて、本日の記事では現在製作中の「振とう機」用の防音ボックスを紹介したいと思います。
振とう機とは
振とう機とは、試験管、三角フラスコ、分液ロートなどの容器を振ることで、中の試料を混ぜたり分離するための装置です。振とうの方式には、往復、旋回、シーソーなどが有り、振り方にも水平や垂直方向などの向きがあります。
ロータップ式ふるい振とう機の騒音対策
今回は日本有数の工業地帯である鹿島の製粉・製油工場様の方より騒音対策のご相談を受けました。騒音が出ているのは振とう機の中でも、ふるい振とう機と呼ばれる、楕円往復運動やハンマーによるタッピング運動のある機械です。
試料の目詰まりを減少させることでふるい分け効率を高められ、耐久性があり安定した再現性が得られるため幅広く利用されておりますが、お客様の方で騒音が問題となっており、防音対策として防音ボックスの設置をすることとなりました。
観音扉式の防音ボックス
横幅1000mm、奥行800mm、高さ1300mm程の防音ボックスで機械を囲うことで、静音化を行います。ボックスに使用したのは静科製の防音パネル「一人静タイプA」です。正面が観音扉式となっており、機械稼働時には閉めて音を遮断し、機械の操作やメンテナンス時には簡単に開けることが可能です。扉はロックハンドルと磁石の治具にて固定、右面には配線用の取出し口が内蔵されており、音を逃がさない構造となっております。
防音ボックスは専用の鋼材にて連結されているため分解可能で、ビスとドライバーで簡単に組立・設置することができます。設置に関して難しそうだな…と思う場合も、事前にご要請頂ければ画像付きの組み立て手順書をお作り致しますのでご安心ください。
関連記事①:「防音室、防音BOX組立手順書を作成します」
また、過去にも振動機で同様に騒音対策が必要となったケースもございますので、ご興味のある方はそちらの記事も合わせてご覧ください。
関連記事②:「新規工場の騒音対策~振動機騒音対策~@埼玉県」
関連記事③「振動機用防音BOXを製作~吸気ファンと排気口で熱対策」