水分・湿気による吸音材への悪影響~『一人静タイプZ』がこの問題を解決
製造部②です。11月も終わりに近づき、空気が乾燥する季節になってきました。今回は『音と湿度』についてお話したいと思います。
湿度が高くなると音のバランスが崩れる
まず簡単に、湿度について説明致します。湿度とは大気中に含まれる水の量(水蒸気)を比率で表した数値です。空気が水蒸気の形で包含できる水分量は、温度により一定しています。この水分量の最大値を100として、実際に空気中にある水分量が最大限度の何%に当たるかを比率で表した数値が『湿度』です。
音というものは、空気が振動することで伝わっていきます。湿度が高くなり空気中の水分量が多くなると、振動する物質が多くなり、音が伝わりやすくなります。また、湿度の影響は低い音、高い音によっても違います。周波数が低い低音は毎秒の振動数が少なく、逆に音の振幅が大きいため、湿気を含んだ重たい空気の中でも、ある程度伝わっていきます。
しかし、同じ音でも高音域になってくると、音の振幅が小さくなり、湿度の高い空気に吸収されてしまいます。このような状態では、高い音と低い音で違った伝わり方をしてしまい、ギターやヴァイオリンといった、楽器の演奏の際には、どこかモタモタした(こもったような)音に聞こえてしまうことがあるそうです。ミュージシャンの方が湿気を嫌うのは、「こういった状況で音のバランスへの悪影響を受けてしまう」という理由からです。
吸音材への影響
湿度は、吸音材にも影響を及ぼすことがあります。グラスウールなどの繊維系の素材は、価格が安価で流通量も多く、吸音材や断熱材としてよく利用されています。しかし欠点として、湿度から影響を受けて、吸音率が低下してしまうという点が挙げられます。繊維系の吸音材は湿度を吸収しやすく、湿気を多く含んだ吸音材は質量が多くなり、結果として音を伝えやすい状況になります。そしてその分、音を吸音する能力が下がるのです。吸音材を湿気や水から守るために、別の素材で表面を覆ってしまうと、そこから音が反射するため、本来の吸音性能が発揮できず本末転倒になってしまいます。
水分・湿気に強い防音材~「一人静タイプZ」
この問題を解決できるのが、静科が独自に開発した防音パネル「一人静タイプZ」です。表面に薄く巻いたフィルムにより、音は通すが水は通さない、という理想の形を実現しました。これにより、水分や湿気による影響を最小限に食い止めつつ、吸音性を維持することができます。
静科では従来の吸音材、防音材ではクリアが難しかった課題に挑戦しております。何か騒音など音の事でお困りのことがございましたら、ぜひお問い合わせください。