騒音対策にも影響を及ぼす「マスキング効果」~事前の騒音調査で状況を知る事が大切
製造部②です。
今後1週間の天気予報を見て、あまりの気温の高さに衝撃を受けました。暑いので、水分だけでなく塩分を取るなどして、熱中症には十分気をつけたいですね。
さて、本日は音に関する事象として「マスキング現象」についてお話し致します。
マスキング効果とは?
マスキング効果とは簡単にいうと、2つの音が重なっている時に、1つの音がかき消されて聞こえなくなる現象のことです。
テレビやエアコンを消して寝ようとした時に、ふと時計の秒針の音や冷蔵庫のブーンという音が聞こえてきてしまい、なんだか眠れなくなってしまった。といったご経験はないでしょうか。これは、エアコンのような大きい音が、時計や冷蔵庫の稼働音のような、小さい音をマスクして(隠して)しまい、聞こえにくくしているからです。
音声圧縮技術への利用
デジタルオーディオなどの「音声圧縮技術」にこのマスキング現象が一部利用されています。Aという音のマスキング効果により、Bという音が聞こえない状態を想定します。実際にはAB両方の音が存在していますが、人間の耳にはAの音しか聞こえません。
そこで、聞こえないBの音を省いてしまうことで情報量を少なくし、データ容量を節約することができます。これが音声の圧縮技術です。このように圧縮することによって、普通の人には音質の劣化を感じさせることなく、データ量を大幅に抑えることができます。
マスキング効果が起こりやすい条件
マスキング効果が起こりやすい条件として、以下のことがあげられます。音が大きくて、低い場合や、2つの音の周波数が近い場合などに発生しやすいことがわかります。
- 妨害音が大きい場合
- 妨害音が低い周波数の場合
- 妨害する音と妨害される音の周波数帯が近い場合
騒音対策とマスキング
騒音対策を行う場合にはもマスキング効果は影響を及ぼします。例えば、工場など、騒音源となる機械が複数存在する場合です。1番大きい音が出ている機械を防音対策した結果、音を低減することに成功したものの、今度は2番めに大きい音が出ている機械の音が気になってきてしまったという事例があります。
このようにマスキング効果によって、普段は気にならない音が浮かび上がってくる、という可能性があります。そのため、防音対策を行う際にはどこで、どのような音が、どのくらいの数存在しているかを知る必要があります。
弊社ではこのような事例を減らすため、防音対策の製品のご提供や施工だけでなく、事前の騒音調査やそれに基づいた対策提案なども行っております。何かご不明な点や音について気になっていることがあればお問い合わせフォーム/お電話によりお気軽にご相談下さい。